仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第45回
日本MSが「サポートを致しかねるシナリオ」を公開
困った時のOffice 365サポートセンターは丁寧に活用すべし
2018年09月21日 08時00分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は少し切り口を変えて、Office 365に関するサポートに注目する。
適切な情報提示でスマートにサポートを受けるには
日本マイクロソフトは2018年8月に公式ブログでOffice 365サポートに関するアナウンスを行った。また、合わせて「サポートを致しかねるシナリオのご案内」というダウンロードコンテンツも公開している。内容をかいつまんで説明すると、顧客のシステム開発や設計、デバッグ、Excel関数などの問い合わせは他社提供のサポートサービスを利用し、データ復旧、サードパーティ製アプリケーションによるWindowsやOfficeへの影響はベンダーへ問い合わせてほしいという。
技術に明るい本誌読者諸氏なら、「当たり前だろう」と顔をしかめるかもしれないが、このようなドキュメントを発行しなければならないほど、サポートセンターに対する質問が低下しているのだろう。こちらは日本マイクロソフト製品全般に対するお願いだが、冒頭のブログはOffice 365に限定した説明を行っている。
Office 365について日本マイクロソフトは、任意の設定方法紹介に加えて、Microsoft admin centerやOOTW(Outlook on the Web)やExchange管理センターへのアクセス障害、サインイン/サインアウト時のトラブルなど広く対応しているという。例えばOffice 365サービスのアクセス障害はMicrosoft 365 admin centerの「サービス正常性」で確認可能だ。
企業内でOffice 365に関するトラブル発生時、最初に飛び込むのはIT部門となるため、ユーザー部門の多くはOffice 365のサポートを使う機会は少ないと思う。だが、IT部門の知見でお手上げになった場合、トラブル案件はそのまま日本マイクロソフトのサポート部門に流れることになるため、単なる利用者でも問題の切り分けは行うべきだ。
日本マイクロソフトはサポートを受ける場合、「Office 365テナント名」「画面スクリーンショットやエラーメッセージ」「トラブルの再現性および継続性」「トラブルの発生範囲」「トラブルの発生環境や規則性」の提示を求めている。例えばWebブラウザーを変更するとトラブルは発生しないのかといった規則性、トラブルが発生しているのは1ユーザーなのかテナント全体なのかといった範囲を示すことで、日本マイクロソフトはログ情報などと照らし合わせ、トラブルの解決に勤しむ。
筆者もOffice 365に関しては、何度も日本マイクロソフトのサポートセンターを利用してきた。過去にはDNS周りのトラブルに数カ月対応して頂いたケースもあれば、多要素認証がクライアント側で動作せず、お手上げになったこともある(こちらはアプリケーション用パスワードの生成で回避した)。個人用から法人向けに切り替えて約2年が経過したが、サポートセンターの丁寧な対応で日々の業務をこなせるようになった。
社内でOffice 365に関するトラブルが発生した場合、IT部門の先にある日本マイクロソフト サポートセンターの存在を意識し、適切な情報で円滑な調査環境を提示して、解決方法を導き出してほしい。

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