10人に4人が利用という調査も
本格的な普及にはチャージャーの拡大が不可欠
ワイヤレス充電は充電速度、バッテリーの劣化など、技術的なデメリットがあれど、実際に使ってみなければわからない手軽さがある。そういえば、たまに「iPhoneの充電ケーブル貸してくれない?」と言われることがあるが(貸してあげて戻ってこなかったことも1回ばかりある)、ワイヤレスチャージ対応機種を持っている人なら外出先にワイアレスチャージサービスがあればこういう問題も解決できる。
Qiによると、利用者は増えており、2016年12月の10%から約2年半(2018年4月)で40%に増えているとのこと(米国、中国、英国、ドイツの調査)。周囲を見渡しても10人に4人とは思えないし、ガジェッド系のブログを持つ米国在住の知人からは、充電プラグを差し込むことがそんなに面倒なの?と言われた。当人はQiに対応したSamsungの端末を愛用するが、ワイヤレスチャージを利用しない理由を聞くと、「日中は動き回っているし、夜間の充電には使いたくないから」とのこと。
確かに正直なところ、筆者自身も今回のようにタダでもらわなければ、自分から買おうとは思わなかったのだ。実際、Qiの調査でも30%がギフトとしてもらったとのこと。価格が2000円程度からであることを考えると、ワイヤレスチャージを使いたいがためにあらためて買おうという人はまだ少ないかもしれない。
発表時はカッコ悪いなと思っていたAppleのワイヤレスヘッドフォン「AirPods」は確実に増えている。Apple Payなどのあらゆるものが無線に、という流れから見ても、ワイヤレスチャージャーの普及は必至と言える。そこで、ノベルティーを考えている企業には、ぜひともワイヤレスチャージャーをお勧めしたい。利便性に驚いた私のようなユーザーからの企業イメージもアップする可能性大だ。
筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ