投機――それは昔から行われているパイを大きく得るビジネス方法の一つである。ブロードウェイのミュージカル工業が資産家たちの投機対象であったように、今ではゲームも投機材料の一つである。Kickstarterで端を発し、今ではCAMPFIREのような日本初のサービスも始まった。
筆者もいくつかのタイトルの出資者であり、笑えないレベルの額面を投資したタイトルもいくらか存在している。だが順風満帆に行くタイトルばかりではない。投資が額面に満たず発売も開発も危ぶまれるタイトルも数多くあり、中には十分すぎる額を得ながらも世に出ずに消滅したものもある。
また、Steamのアーリーアクセスも新規タイトルの資金ローンチの足がかりになっており、上記の投資段階で失敗したタイトルがこちらでは大成功したパターンも数多くある。第81回はそんな成功パターンを歩みつつある日本発インディータイトル「Dead or School」を紹介しよう。
学校へ行こう
謎のウィルスにより、腐敗生物へと変身を遂げた人類は滅亡の危機に瀕した。生き残った人類は地中深くへと逃亡し長く地下暮らしを余儀なくされる。地上のテクノロジーや記憶が失われた日本にて、祖母から“学校”という楽園が存在すると聞いた主人公“ヒサコ”は祖母から学校の思い出である制服を受け取り地上を目指し、再び学校を作ることを夢見る。というのが簡単な導入である。
自分たちの居住区でもあるマッドマックスもびっくりな武装列車を使用し、地上を目指して東京を進む。それぞれの地区ごとにマップが分かれており、一つの区をクリアすることで新たな区域へと進める。
マップでの移動はキーボードのWASD、コントローラーでは左ジョイスティックでの移動だ。スペースキーでジャンプ、左シフトキーで緊急回避が可能で、腐敗生物の攻撃をジャストタイミングで回避すれば画面がスローになり動きやすくなる。
武器は固定で、近接武器/銃器/ランチャーの三種類から選んで戦闘を行う。バトルスタイルや相手の弱点などで戦略的に切り替えるのがコツだ。
とはいえ三種類の武器タイプから更に近接武器なら斧・太刀・レイピア・刀と更に種類が分かれているため、自身の得手不得手も探りながらアイテムを取捨選択できる楽しみもある。
銃器とランチャーは射線を調整する必要があり、マウスか左ジョイスティックで細かく指定しなければならない。射線を決め、近接攻撃と同じく左クリックで銃撃、右クリックで後述するアビリティを使用できる。銃器は耐久値ではなく弾数管理のため、撃ち尽くした場合は攻撃自体行えなくなる。
また、一定以上の攻撃を受けた場合は制服破損状態となり攻撃力が上がる。リスクはあるが攻撃力は目に見えて上がるため、ワザと破損状態を保つのも有効な戦術スタイルだ。ただし、後述する武器パーツによるアビリティ以外では体力を回復する手段はセーブポイント以外は皆無に等しいので相応のリスクとはなる。ライフが0になった場合は最初のセーブポイントにまで戻される上、所持金ががっつり減るので要注意だ。
レベルアップやサブクエストをこなすことでスキルポイントが手に入るので、自身のスタイルにあわせたスキルビルドを組み立てよう。スキルのリセットにはデメリットがなく、何度でもリセットできるのでスキルビルドは簡単に試すことができる。
ハクスラの醍醐味といえば・・・
ボーダーランズしかり、ハクスラといえば数多くの武器を選別し理想のスタイルを作り上げることに心血を注ぎ込む物である。本作品でも武器、アタッチメントなどは非常に数多くドロップする。
武器はレベルが10段階あり、自身で強化することも可能。強化ギアと所持金を消費し武器の強化も行える。同じように改造ギアを消費すれば武器に固有のアビリティも付与できる。ただし効果はランダムなので狙って出るわけではなく改造ギア自体はそんなにドロップしないので悩みどころだ。
素晴らしいアクションパートと美麗なアニメーションはそれだけでも破壊力抜群
2018年現在、新規作品は年間1000本近く発売されている。その中でも話に上がる作品はもっと少ない。余程のバックボーンや話題性がなければ沈んでいってしまう。現代の圧倒的な本数を誇るゲーム世界で、話題のタイトル以外は自分で触れてみて初めて魅力などが見える。今週紹介するタイトルは実は全く違うタイトルであったが、プレイしてこの魅力は必ず伝えなければならないという責務に近い感情から強引に選定させていただいた。
美麗なアニメーションと爽快感のあるハックスラッシュ部分を記事中では伝えきれないが、必ずやプレイすれば納得して貰えるであろう。
また今回、移動以外のコントローラー操作を書いていないのは理由がある。コントローラー操作は調整中のため、今回は私のXBOXコントローラーのアサイン対応表を付属しておくので、自分の使いやすい様に読者の方は調整して欲しい。表記も現段階ではキーボード表示のためやや戸惑う場面もあるだろう。だが、その点も含めて開発側で対応予定のため安心していい。
「Dead or School」の推奨動作環境は?
最低動作環境のグラフィックの要件は、AMDのGPU統合型プロセッサ(APU)「A10-8750」のRadeon R7となっているため、CPU内蔵GPUでも動作は可能だ。推奨でも、8年前のGPU、Geforce GTX500以上となっているので、近年のミドルクラスGPUを搭載していれば余裕だ。
『Dead or School』
●Studio Nanafushi
●1500円(2018年7月12日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル Early Access、アクション、RPG、ヌード、アニメ、ハックアンドスラッシュ
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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