このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

雷サージ対策の見るべきポイントとオススメ製品 第1回

PCや家電、データを守るには夏の雷対策が必要だ

2018年07月30日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

直撃しなくても甚大な被害を及ぼす雷サージ

 ランサムウェアや不正アクセス、人為的ミスなど、PC内の大事なデータや機器にダメージを与える要因はさまざまあるが、これからの季節、対策しておいて損がないのが「雷」への対策だ。

PCやその周辺機器、家電、保存しているデータなどに深刻なダメージを与えることもある「雷」

 稲光や雷鳴も十分怖いと言えるが、なによりも怖いのは雷被害で良く聞くワードの「雷サージ」だ。これは、雷の影響で発生する瞬間的な高電圧のこと。

 大気やアンテナ、地面(アースなどの接地線)、そして屋外の電柱から建物へ引き込まれている電源線や電話線などを伝って屋内に侵入する厄介な存在になる。

 通常100Vの家庭用コンセント電圧の数十倍となる数千Vの高電圧、大電流が瞬間的に流れ、電源を落としていた機器を含めた電気製品すべてに痛手を負わせることになる。

雷サージの侵入経路。一番怖いのは経路2の電線からの侵入で、PC、AV機器、家電を容赦なく襲うことになる

 屋内へ雷サージが侵入する経路として最も確率が高いのは、もともと電気が流れている電源の線からで、その影響も甚大になっている。もちろん、アンテナや電話線、インターネット、ケーブルテレビ回線なども侵入経路になり得るが、落雷する確率は低め。

 ただ、テレビや電話機、ルーターといった機器も電源コンセントントにつながっているため、雷サージが侵入した際はアンテナ→テレビ→電源コンセントと流れ、家中の電気製品に影響を与えることになる。

数キロ先にも影響を与える「誘導雷」

 「え~、滅多に落雷はしないから、対策は不要じゃない?」と思う人も多いだろう。確かに自宅や会社に、雷が直接落ちる確率は低いが、雷サージが発生するのはなにも直接落雷した場合だけではない。

 というより、雷が直接落ちる「直撃雷」で発生する雷サージは、火災が起こるレベルの超高電圧になるため、個人で簡単に対策することはできない。

「直撃雷」。人命被害や火災を起こすレベルになる雷の超高電圧が、そのまま侵入することになる。個人で防ぐことは非常に困難

 では、個人では何に対して対策するのかと言うと、木などへの落雷によって周囲の空間に電気的な変化が生じ、近くの電源線に高電圧が発生する「誘導雷」になる。雷サージの発生要因として最も多く、数キロ先にも影響を与えると言われている。

電源線近くの木に落雷した場合などに発生する「誘導雷」。雷サージ被害で最も多いと言われており、数キロ先に伝わることもある

「侵入雷」。大気を伝わって侵入する雷サージで、誘導雷と同じく対策可能だ

 雷被害は火災保険の補償対象になるので、被害を受けた場合は補償範囲のなかで、被害を受けた機器を損害保険金で、修理、買い換えができる。

 そのため、対策しなくても良いと思うかも知れないが、生活に必須な機器は保険が降りる前に購入、修理、買い換える必要があり、被害の状況次第ではそれなりの出費が必要になる。

 そのうえ、PCや外付けHDDなどに保存している唯一無二の大事なデータが消える可能性もある。一時的とは言え、大きな出費と復旧しようのないデータを守る努力はしておいて、決して損はない。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中