落雷の被害、直撃なしでも発生
「理系出身でコンピュータ出版社社員の俺が、まさか落雷ごときでモノを壊されるなんて……」
自室に呆然と立ち尽くす40男。目の前には大半の機能を喪ってしまった多機能電話機と無意味に明滅する着信ランプ……。情けない状況だ。
ほんの数分前、近所のマンションに大音響とともに落雷があった。その直後から自宅の多機能電話機は沈黙し、通話以外の機能が一切使えなくなった。
むろん、雷についての知識はある。雷が遠くで鳴っている頃からパソコンの電源を落とし、オーディオ機器も含めコンセントから電源ケーブルを抜いていた。しかし、電話機の電話線とACアダプターを忘れていたのだ。
翌日、気を取り直し購入した店に電話機を持ち込んだが、数日後手元に届いたのは修理するより新たに購入する方が安上がりという見積もりだった。その分、小遣いを取り崩して捻出する羽目に。
直接自宅に落雷(直撃雷)があった訳でもないのに電話機が故障したのは、誘導雷と呼ばれる現象が原因だ。建物や鉄塔などに落雷すると、周囲に強い電磁界が生じ、その電磁界内部に電話線や電力線があると、電磁誘導現象によって大きな誘導電流が発生するのだ。そういえば知人もこの夏、この誘導雷で自宅のAirMac Expressを壊されてしまった。専門家によると意外と頻繁に発生している現象らしい。
数千円でできる落雷対策
落雷(誘導雷)被害は、電源や電話回線に「サージプロテクター」「雷サージアダプター」「雷ガードタップ」などと呼ばれる装置で、確実にではないが避けられる。電源タップ型やボックス型などの形状、そして対応する電話回線種別や電源容量、サージ電流耐性によって様々な製品がある。例えばサンダーガード雷王スーパー RO11GSは、モジュラージャックと電源コンセントが一体化した独特の形状をしており、ADSL回線経由、電源経由で侵入してくる雷被害を防いでくれる。
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また、DVDレコーダーなどオーディオ機器一式を守るなら、刺した電源プラグが抜けにくい構造を持つELECOM ぬけ止めマグネット雷タップ T-Y05Aがいいだろう。落雷対策機器の投資費用数千円で、数万円以上するパソコンや周辺機器、DVDレコーダーなどが守れるなら十分検討する価値はある。