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上場会見で読み解く同社のこれから:

メルカリ上場の理由と課題

2018年06月20日 08時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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■決済と物流が屋台骨

 決済と物流の2つがメルカリの屋台骨だ。

 同社が誇る「あんしん・あんぜん」な取引は、査収が済んだあとに取引が成立するエスクロー(仲介)決済があって初めて成り立つ。前述のメルペイでは今後、まずはモバイル決済システムの完成度を上げることに取り組む構えだ。

 物流面では配送企業との関係を密にしている。

 メルカリの配送機能「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」を請け負っているヤマト運輸と日本郵便は同社の株主だ。同社では配送会社とデータベースも一体化させているという。物流の課題である人手不足には「配送ロッカー」など配送会社の戦略に沿う形でサービスを改善することで貢献したいと話した。

 米国で展開しているCtoC売買サービスの中、利用者が手渡しするのではなく宅配業者が商品を配送し、エスクロー決済で購入できるサービスは他にないという。

 逆に、今後の成長が見込まれるアジアや新興国などの一部地域では、まさに決済と物流が課題になってくる。

 いずれも社会インフラ自体が未発達で、同社のしくみをそのまま持ちこんでもサービスが成立しない。利用者人口もまだ未知数のため、まずは欧米諸国、特にフランスやドイツなど欧州を中心に展開していく計画だ。

 上場後、同社にはどんな課題があるのだろう。

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