日本で初めてICOを実施する自治体の狙い:
仮想通貨に取り組む日本のすごい村 岡山県西粟倉村の挑戦と課題
2018年06月22日 09時00分更新
地元ベンチャー支援のための財源を確保したい
1990年代の終わりごろから2000年代にかけて、地方自治体が合併をする「平成の大合併」が進んだ。岡山県内でも、多くの市町村が隣接する市町村と合併する道を選んだが、西粟倉村はこの流れに乗らなかった。「合併をしない」と選択した後、西粟倉村は「林業を基軸に地域を守る」として、様々な取り組みを進めてきた。
現在、都会から人材を呼び込む狙いで、「ローカルベンチャー」の支援をしている。村を拠点に起業や新しい事業の立ち上げを目指す人たちを募り、事業計画づくりや起業に至るまでのプロセスを支援し、最終的には移住を促し、雇用の創出を目指す取り組みだ。
現在は、国の地方創生交付金を受けているが、2年後の2020年度で交付金事業が終わる。
村が「なんとか、この流れを続けていくための財源はないか」と検討する中で浮上したのがICOだった。
村が想定しているICOは、以下のようなスキームだ。
村内に、民間企業などで組織する「西粟倉村トークンエコノミー協会」を設立。協会がNAC(Nishi Awakura Coin)という名前のトークンを発行し、投資を募る。集まった資金は、ローカルベンチャーの支援などに使うという。
トークンを購入した人に対しては、投票権が付与され、応援したい事業に投票できる。そして、NACを使って、ローカルベンチャーが販売する商品を買ったり、提供するサービスを受けたりといった使い方も想定している。
西粟倉村の構想を見ていると、やはり気になるのは、政府の規制の動向だ。
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