モバイルノートPCといえば、長らくIntelである。TransmetaやVIAなどのCPUが搭載されたノートPCが登場したこともあったが、国内においてはノートPCに搭載されるCPU=Intelだ。そこに通算何度目かは忘れるとして、挑むAMDがいる。今回は、デスクトップで反撃に成功したRyzenのモバイル版Ryzen 7 2700Uを搭載するレノボ・ジャパンの「ideapad 720S」を見ていこう。同社ダイレクトショップでの価格は9万5385円~14万956円。
冒頭から腰を折って申し訳ないが、ideapad 720Sのメモリはシングルチャンネルになっており、Ryzen 7 2700Uに内蔵されているRadeon Vega 10は本来の性能を発揮できていない、その点においては非常に残念だ。おそらく、2018年内にデュアルチャンネル版が登場するのではないだろうか。よって、今回は国内流通製品としては稀なAMDモバイルノートPCの外観をアウトドアで見ていく。なお、同製品名でIntel版も存在しており、筐体は共通だ。
ざっくりと振り返っておくと、これまでのAMD搭載のノートPCは分厚く、そして安価なモデルが多く、モバイルの「モ」が精一杯であることばかりだった。そこに登場したideapad 720Sは、13.3型で重量約1.14kg、サイズは幅305.9×奥行き213.82×高さ13.6mm。これまでからすると、とてもモバイルな重量とサイズだ。
筆者がこれまで所有してきたAMD搭載ノートPCは、NEC LaVie G タイプLベーシック「PC-GL52ZR1A7」と、「ThinkPad Edge 13」の2つ。2度に渡り、Turionに期待した自分がいた結果なのだが、サイズはともかくとして圧倒的に短いバッテリーライフがネックだった。しかし、である。ideapad 720Sはカタログスペックで約6.9時間。充電時間は約2時間と、あれこれ気を遣うがモバイルがそれなりに可能なレベルとなっている。このあたりでキュンキュンしてしまったのであれば、速やかに保護しておこう。
インターフェイスはUSB Type-C×2、USB 3.0×2、ヘッドセット端子。また、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1対応だ。また、USB Type-Cのうち1つはUSB Power Delivery対応、もう片方はDisplayPort出力機能付き。側面のプリントからはUSB Power Delivery対応ポートを確認できるくらいで、スペックシートを見ないとDisplayPort出力機能の有無は判断できない。なお、サウンドはDolby Atmos対応。
キーボードはフルサイズを採用しているものの、一部、窮屈なレイアウトとなっている。打鍵した限りでは、馴染みにくいものではなく、原稿を書く分には問題ナシ。右上に電源ボタンがあり、うっかり押してしまうことが何度もあったが、即座にスリープには入らない仕様なので、クリティカルな事案にいたることはまずないだろう。
Ryzen 7 2700U搭載モバイルノートPCの外観を中心にチェックした。ほかにRyzen 5 2500U版もあるが、異なる部分はストレージ容量のみ。ゲームを思いっきり遊べるような性能はシングルチャンネルであることから、確実に期待できないが、たまにノートPCが必要ならば十分に使えるものと思われる。なるべく予算を抑えたいのであれば、ideapad 720Sをチェックしてみよう。