スキャナで読み取り可能なマークシート「スキャネットシート」を開発・販売するスキャネットは2018年5月15日、テストの手書き文字を自動認識して採点する「デジらく採点2」を発表した。6月5日から提供を開始する。
同社のスキャネットシートは、OCR技術を使って、汎用のスキャナでPCに取り込んだマークシートを自動採点するもの。ソフトウェアは無償で提供し、専用のマークシート用紙を販売するビジネスモデルだ。様々なテスト形式の用紙を約200種類用意しており、全国で約800の大学、約870の高校で利用されている。
今回発表した「デジらく採点2」では、これまでのマークシート採点に加えて、「選択設問の自動採点」が可能になった。1文字の手書き文字を自動認識し、複数の解答選択肢からカタカナやアルファベット、数字を選んで記入する問題を自動採点する。将来的には、長文の文字や複数桁の数字の自動認識・自動採点を可能にしていく計画だ。
現行の「デジらく採点2」では、自由記述式の解答は採点者が目視で確認する必要があるが、スキャナで30~40人分のテスト用紙を一括で取り込むとPC上に全員の解答が設問ごとに表示され、自動採点されない部分もクリック操作で採点が完了する。点数は自動集計され、各生徒に返却するための採点済みテスト用紙がPDF形式で自動生成される。
同社 取締役 石川隆氏は、文部科学省の調査「教員勤務実態調査(平成28年度の集計(速報値)について」の結果を引用し、「教員の3割が“成績処理”を最も負担が大きい業務と感じている」と説明。テストの採点の自動化により、教員の負担を権限し、教育現場の働き方改革につなげたいと述べた。