CPUやメモリーをマザーボードに取り付け
組み立て工程の“その1”は、マザーボードへのCPU、メモリー、CPUクーラーの取り付けになる。全体的に難しくはないが、取り扱い要注意な点が多い。とくにCPUの取り付けは、ちょっとした不注意が“CPUソケットのピン曲がり”という大惨事につながることもある。
ちょっとした不注意がピン曲がりにつながる。軽いピン曲がりなら、ピンセットなどを使って、戻せるが動作の保証はない
CPUソケット側にピンがあるLGAタイプに変更になったときから、ピン曲がりは発生しており、長いこと初期不良交換はもちろん、無償修理の対象外だったが、最近は一部のメーカー(国内代理店)が無償修理の対象に変更(購入から一定期間のみ)している。
ただ、あくまでも“修理”対応で、修理には長期間かかる旨が記載されている。いずれにせよ、PCを組むには、新たにマザーボードを購入する必要がある点は変わらない……。
注意を払いしつつ
Core i7-8700Kを取り付け
LGA 1151対応CPUの「Core i7-8700K」を使って、取り付け手順を説明していこう。
1、マザーボード、CPUソケット横のレバーを押しながら横にずらし、CPUの固定カバーのロックを外す。【ポイント:プラスチッのカバーは外さない】
2、CPUが入っている透明プラスチックのケースを手元に用意
3、レバーを持ち上げる(同時にCPU固定カバーが持ち上がる)。【ポイント:どんなに気になってもCPUソケットのピンに触れては絶対ダメ。取り付け前にピンの曲がりがないか確認、ある場合はショップサポートに相談】
4、取り付けるCPUの端をつまんで持つ。裏面の端子は素手で触らないように注意する【ポイント:CPUを触る前に、金属に触れて体の静電気を逃がす。静電防止手袋を使うのも良いが、指先の余り部分などがCPUソケットのピン触れないように注意】
5、CPUとCPUソケットの切り欠きと▼の目印を確認しながら、CPUをソケットにそっと置く
6、固定カバーを被せ、レバーを1と逆の手順でロックする。CPU固定カバーをロックすると、プラスチックカバーが外れる。以上でCPUの取り付けは完了だ
ASUS製マザーには
取り付け補助ツールが付属
ASUS製マザーボードの一部には、CPUの取り付けを補助する「CPU Installation tool」が付属している。CPUを持ちやすくするが、ツールの取り付け時に注意点があり、100%ピン曲がりを防げるわけではない。こちらの使い方も紹介しておこう。
CPUの取り付けを補助する「CPU Installation tool」。ASUS製マザーボードの一部に付属している
「CPU Installation tool」は、CPUに被せることで、持ちやすくする
取り付け手順は同じ。「CPU Installation tool」を取り付けた状態で、CPU固定カバーもロックする
CPUと「CPU Installation tool」は、4つツメで固定する。その際、CPU裏面を押して固定するのだが、指の油脂や塩分が付着するので、素手で触るのは厳禁だ
AMD Socket AM4はより簡単
第2世代Ryzen、GPU内蔵APUのRyzen Gともに好調なAMD Socket AM4プラットフォーム。CPU取り付け手順の大まかな流れはインテルと同じだが、AMD CPUはインテルと異なり、CPU側にピンがある。ピン曲がりの不安は小さい。
ただ、AMDのSocket形状は、CPUクーラーとともにCPUがソケットから抜けてしまう“スッポン”が起こることも。都市伝説の一種?“恐怖のシュウマイ”のような話だが、CPUとCPUクーラー受熱ベース部が固着してしまい“CPUクーラーを外したら、ソケットからCPUが消えた!といった事態に……。
このスッポンは、固めのグリスが使われているAMD純正クーラー使用時に起こりやすいので要注意だ。
Socket AM4 CPUの裏面。ピンを曲げないように、端をつまむのはインテルと同じだ
ソケット横のレバーを上げてロックを解除。CPUソケット角とCPU角にある▼印を合わせて、そっと置く。CPUを軽く上から押してピンが差し込まれているのを確認したら、レバーを戻す
メモリー、M.2 SSDを固定すれば一段落だ
メモリーの取り付けは、比較的簡単だが、誤った向きのまま力技でメモリーを差し込もうとして、メモリーを破損させてしまう事例もある。メモリースロットの突起と、メモリーの切り欠き位置を確認しながら、奥まで差し込もう。
M.2 SSDもM2.スロットとM.2 SSD側の切り欠きを合わせて差し込み、ネジで固定する流れになる。
CPUとメモリー、M.2 SSDの取り付け作業は、写真のようにマザーボードの箱の上で作業するのが◎。ここまで組んだら、ひと休みだ
メモリースロットの突起と、メモリーの切り欠き位置を確認。なお、使用するメモリースロットの位置は、マザーボードのマニュアルで確認しよう
メモリースロットの片側にあるレバーを開き、スロットにメモリーを差し込む。切り欠きの位置を確認したら、メモリー両端を上から親指で押して奥まで差し込む
スロットのレバーが、メモリーの切り欠きにはまり、固定されれば、取り付け完了だ
M.2ヒートシンクのAwesome「AWD-MCS01」を、絶縁耐熱ポリイミドテープで固定したNVMe M.2 SSDのSamsung「950 PRO 512GB」
スロットとM.2 SSDの切り欠きを合わせながら、スロットに斜めに差し込む。M.2 SSDを倒して、ネジで固定すれば取り付けは完了だ