オーリングでキーキャップの反響音を抑制
その後、筆者はお披露目の会では間に合わなかった“消音化オーリング”を入手し、青軸や緑軸などのメカニカルでサウンドフィードバックが特徴のキースイッチに取り付けてその変化を細かく見てみた。
消音化オーリングはメーカーによってさまざまな色が提供されているが、筆者が購入したのは赤と白のコンビネーション。
100個以上入って1000円以下だったが、単体売りはない感じだった。オーリングの直径(厚さ)をノギスで計ってみたところ約1.4mm。これをキーキャップの内側にある円筒形の軸の周囲にハメて、キーを叩いた時の衝撃によるキーキャップの鳴りを抑制するのがオーリングの目的だ。
KACHAの場合、キースイッチベースは極めて分厚いステンレスベースのため、共振も少なくそれ自体がキーを指先でたたく程度の力で音を出したりしない。
キーキャップを指先で叩いた時に出るキースイッチ本体のサウンドフィードバック音以外の音は、キーをいっぱい迄押し込んだ時の底打ち音をキーキャップが拡声している音だ。
そのため、オーリングを取り付けることで、4mmストロークの青軸の底打ちまでの距離はオーリングの厚さである1.4mmを差し引いた2.6mmという比較的浅いストロークとなる。
KACHAではなく、入力装置としてのキーボード用のキースイッチとして青軸を使った場合、スペックにあるように、ストロークは4mm、文字入力のシグナルの出るタイミング(オペレーティングポジション)は約2mmキーキャップを押し込んだあたりに設定されている。
オーリングを取り付けることで、ストロークは1.4mm短くなって2.6mmとなるので、キー入力シグナルを発生して、すぐに底打ちを感じることになる。
これがクイックなキーオペレーションに必要なゲームに向いているかどうか、筆者の分野ではないのでわからないが、オーリングを取り付けることで、KACHAの場合は、底打ち(4㎜)音の原因であるキーキャプの反響音はかなり抑制され、青軸キースイッチ本来のソリッドなサウンドが際立ってくるのは間違いない。
イメージ的には“カチャカチャ”から“カチカチ”という変化にも感じる。
ただし、チェリーMXキースイッチの特徴である4㎜のストロークは2.6mmとなってしまう。また指先の感覚の超鋭い人なら、底打ちのタイミングで、指先にオーリングのシリコンゴム素材が圧し潰される嫌な感じがわかる人もいるらしい。
いずれにせよ、KACHAは企画した筆者たちでさえ後から気づく面白さがありそうだ。
クラウドファンディング2日で目標を達成
ありがたくも我々の企画した商品を販売してくださっている会社は、お披露目の会の夜から国内クラウドファンディングの「Makuake」でビジネススタートし、48時間以内に目標を達成。この原稿を書いている4月29日時点で達成率は500%を超えている。
現在、支援募集中のKACHAは7月出荷だが、筆者も実は正式出荷版のKACHA Reboot Anytimeは持っていないので、昨日、2台支援した次第だ。
正式出荷版が届くまで、自分専用の「改造お楽しみキットBOX」を作って待ち構えていようと思う。
今回の衝動買い
アイテム:
KACHA Reboot Anytime
価格:Makuakeにて支援受付中(2890円)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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