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「クラウドを気にせず、安心してビジネスに取り組める」Oracle OpenWorld Asia 2019レポート

「なぜクラウド、なぜオラクルか」OOW Asiaでミランダ氏が語る

2019年03月28日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 「Oracle OpenWorld Asia 2019」が、2019年3月26、27日、シンガポールのマリーナベイサンズ コンベンションセンターで開催された。今回のイベントには、アジア各国から、パートナーおよびユーザー企業など約3000人が参加した。 

 開催初日には、米オラクルからオラクルアプリケーション製品開発担当EVPのスティーブ・ミランダ氏が登壇。「なぜクラウドなのか、なぜオラクルなのか、なぜ、いまクラウドにしなくてはならないのか、ということに触れたい」と切り出し、「この3つの観点から、ビジネスのメリットを示す」と述べた。

「Oracle OpenWorld Asia 2019」はシンガポールのマリーナベイサンズ コンベンションセンターで開催された

米オラクル オラクルアプリケーション製品開発担当 エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)のスティーブ・ミランダ氏

「アプリケーションを『ルールドリブン型』から『モデルドリブン型』へ移行させている」

 まずは「なぜ、クラウドか」。ミランダ氏は、テクノロジーの進化が加速し、ビジネス変革のスピードも速まっている中で、多くの企業が「転換点」を迎えていることを指摘。企業が変化に追従していくために、クラウド活用が必須であると説明する。

 「オンプレミス環境では、5年に一度、10年に一度という(長期の)アップグレードサイクルになり、しかも、ユーザー(企業)ごとにカスタマイズした環境を利用していた。これでは現在の変化スピードに追いつかない。クラウドの活用によって、スピードが高まり、ビジネスに変化を起こすことができる。さらにデリバリーも速くなり、将来に向けた変化に追随できる。それはオラクルの顧客事例からも明らかである」

 それに加えて、クラウド活用を通じて企業のIT責任者は各テクノロジー(アプリケーション)が「本当に使われているのか、いないのか」を詳細に把握できるようになり、今後どのように変革していくかの方向性を理解できるという「副次的な効果」ももたらすと語った。

 続いて「なぜ、オラクルか」。これについては、革新的なクラウドとアプリケーションスイートを持ち、さまざまなステージの企業が導入可能であることを説明した。

 「オラクルは、機械学習やIoT、ブロックチェーンなどの新たなテクノロジーに対応し、ERPやCRM、HCMなどの幅広いプロダクトを持ち、産業特有の要件にも対応できる深さがある。そして、世界各国の法的な要件にも対応できる。しかも、オンプレミスやクラウド向けに提供されているサードパーティーの製品や、他のクラウドベンダーが提供するサービスとも連携できる点が特徴である」

 ここでは、3月19日(米国時間)に米国ラスベガスで開催した「MODERN BUSINESS EXPERIENCE」において発表された、「Oracle ERP Cloud」および「Oracle EPM Cloud」の拡張機能として搭載されるAI機能群、さらに「Oracle SCM Cloud」「Oracle HCM Cloud」「Oracle CX Cloud」の追加機能群についても概要を紹介した。

 ミランダ氏は、AIがアプリケーションを変えていく中で、特に大切なのは「パーベイシブAI」であることだと指摘した。これはあらかじめAI機能がアプリケーションに組み込まれており、ユーザーが強く意識せずに使えるといった意味合いだ。しかも、その機能は四半期ごとにアップデートされる。

 「われわれはアプリケーションを『ルールドリブン型』から『モデルドリブン型』へと移行させている。機械学習技術によって、人間の行動とそのコンテクストを理解し、それに則って承認や判断を自動化することができる」

AIをあらゆるアプリケーション/機能に組み込み(パーベイシブAI)、手作業から自動化へ、静的ルールから動的モデルへ、ユーザー判断からAIの自動判断へと進化させる

 さらに、昨年10月に買収を発表した米データフォックス(DataFox)によって「全世界280万社の企業情報を活用できる」と述べ、これが同社のCX/ERP/SCM/HCMアプリケーションに「新たな力を与える」と述べた。なお、現時点ではDataFoxには日本企業のデータは含まれていないという。日本の企業にとっては、ビジネスの海外展開において活用できるものとなりそうだ。

データフォックスのAIが収集した世界280万社の企業データを各種アプリケーションと連携させることで、大きな価値を生んでいくとした

「オラクルは製品の会社から“サービスの会社”へ移行している」

 ミランダ氏は、現在のオラクルが「製品の会社からサービスの会社へ移行している」とも語る。オラクル自身もまた“クラウドシフト”のさなかにいる、というわけだ。

 「それを実現するために、オラクルは(製品/サービス間の)インテグレーションを加速し、ダウンタイムをゼロにし、四半期ごとの決まった時期にアップデートをリリースして、最新機能を提供していく。このアップデートは『オプトイン方式』になっており、ユーザー企業自身がボタンをクリックした時点で、対象の機能だけをアップデートできる。これからも、経験をふまえてサービスを改善し、顧客のイノベーションを支援していく」

クラウド移行により、従来は5年ごとにしかアップグレードされなかった業務アプリケーションが、「四半期ごと」のアップグレードに生まれ変わる

 そして、最後に「なぜ、いまか」。ミランダ氏は、オラクルが“Soar to the Cloud(クラウドへ飛翔しよう)”というメッセージとともに、クラウド移行を「最後のアップグレード」とすることを提案していると説明する。

 「クラウドに移行することが、顧客企業にとって『最後のアップグレード』になると提案している。それ以後、四半期ごとに行われるアップグレード作業はオラクルが担うことになるからだ。ビジネス変革にはスピードが必要であり、だからこそ、いまクラウドに移行することが大切だ」

 クラウド移行を促すために、オラクルではオンプレミスからのクラウド移行にかかるコストや時間なども明確にしており、企業はビジネスプロセス変革に踏み出せるとミランダ氏は述べたうえで、「これ(クラウド移行)はオラクル自身が進んできた道だ」と語った。

 「クラウドの用途はホスティングだけではない。ビジネススピードを高めて“ディスラプター(破壊者)”になり、同時に(他社による)破壊から守ることができるメリットがある。オラクルは包括的なアプリケーションスイートを提供しており、その一部分からでも利用できるし、そこには最新の機械学習技術によるイノベーションもつぎ込まれている。クラウドのビジネスメリットはすでに実証済みだ。パートナーとともに、顧客企業のクラウド移行を促進していく」

 基調講演の冒頭に登壇した米オラクル プレジデントのロイック・レ・グスケー氏は、同社が毎年50億ドルの研究開発投資を行い、デジタル時代における新技術とイノベーションを追及して、顧客の支援体制を敷いていると述べた。

米オラクル プレジデントのロイック・レ・グスケー氏

 「だから、顧客企業はクラウドのことを気にせず、安心してビジネスに取り組んでほしい」「AIは(人間の)囲碁のチャンピオンにも勝利したが、技術成果はそれだけにはとどまらない。たとえば、医療分野に応用すればアルツハイマー病の解決にも生かせる。そして日々の業務プロセス効率化にも役立つ。オラクルではERP、SCM、HCM、CXといったあらゆるアプリケーションにAI技術を展開することで、業務課題の解決や効率化を実現している」

 さらにグスケー氏は、同社製品/サービスを活用するいくつかの事例について説明した。オーストラリアのAPMでは、ゲノム情報の活用において「Oracle Autonomous Database」を採用、運用コストの削減につなげている。バングラデッシュの交通省では、橋梁の建設事業においてOracle Cloudを活用し、同国のGDPを2%高めることに成功したという。ベトナムのBackyでは、トラックや荷物の情報を収集し、効率的な荷物輸送を実現。マレーシアのAir ASIAでは、ERP Cloudを活用することで、運用を一本化し、コストの削減に成功した例を示した。

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