挿しっぱなしで使える便利さ
そのワイヤレスシステムが、びっくりするくらいこなれていた。まずトランスミッターの形状は当然のように工夫されていて、手持ちのギターには問題なく取り付けられた。冒頭の写真のように、ボディーに対して斜めに挿すストラト、無問題。ジャックがボディーに対して、やや奥まったテレキャスタイプ、大丈夫。
斜め下側面に差し込むレスポールタイプの場合も当たり前に挿せる。いずれも、トランスミッターを挿したまま床置きタイプのギタースタンドに立てて、支障なし。ピックガードに対して垂直に差し込む、SGのようなギターの場合、もしかしたら腕を思い切りぶん回したら当たってしまうかもしれないが、そういう派手なアクションは自重する方向で。
デジタル信号に変換して送信し、かつ受け側のアンプもデジタルなので、レイテンシー(弾いてから実際に音が出るまでの微妙なズレ)は気になるところだが、ほとんど実感できなかった。少なくとも大昔のアンプシミュレーターのような、弾いている指が浮いているような感覚に陥ることはない。
もうひとつイージーなのは電源管理。トランスミッターのプラグ根元には、ギターに挿すと押されて入るスイッチがある。最初はバッテリーの消費を気にして、弾き終わったらトランスミッターを抜いていた。
が、実は挿しっぱなしでOK。一定時間ギターに触らなければスタンバイモードに入り、振動を検知すると電源が入る仕組み。アンプとの再接続も自動。1日1~2時間弾く程度なら、フル充電後、1週間はバッテリーの心配をしなくていい。そのほか、業務用機材に近いギターのワイヤレスシステムから想起されるような、七面倒くささは一切なし。
ちなみに、木造二階建ての家で、二階にアンプを置いて、一階の居間で弾いても接続は切れなかった。直線距離では短くても、シールドであれば、30m程度になるはず。なんならギターを持ったままトイレやお風呂で弾いても、玄関から出て庭先で弾いても問題なかった。