消費税込み3890円のハイブリッドイヤフォンとして登場したKINERA「Bd005E」。いかに中華イヤフォンといえど、国内正規代理店の取り扱い品で、この価格は衝撃と言うほかない。なにしろバランスドアーマチュア、9mm口径のダイナミックドライバーが各1発ずつという構成なのだから。
日本のイヤフォン専門店、e☆イヤホンが監修したというこのモデル。すでに発売から1年近く経過しているが、激戦が続くアンダー5000円イヤフォンのリファレンスとして、改めて試してみることにした。
MMCX対応のイヤーモニター型
メーカーは広東省にある東莞宇泰電子有限公司(Dongguan Yutai Electronics Co.,Ltd)で、Bd005Eは国内正規販売品第1号。名刺がわりの製品としては、かなりのインパクトだった。それは価格だけではない。
3000円台で買えるイヤフォンは、シングルのダイナミック型が当たり前。そこにハイブリッド型で登場したのも驚きだったが、イヤーモニター型のデザインで、MMCX端子でリケーブル対応というマニアックな仕様も、さらに驚きだった。この価格帯のイヤフォンは、いわゆる「薬きょう型」のデザインで、ケーブル交換などはできないものばかりだ。
付属するケーブルは、イヤーモニターらしく耳にかけることを前提としたもので、イヤーハンガーに硬めのワイヤーが入っている。この部分は、新品時にはただのまっすぐな棒で、それを自分の耳に合わせて折り曲げるというスタイル。だから最初のフィッティングの儀式は、ちょっとだけ気分も盛り上がる。
バイブリッド型としてはハウジングは小ぶりで、フィット感は上々。付属のイヤーチップは、シリコンタイプが大中小の3種。これで十分な遮音性が得られる。
ワイヤー入りハンガーのおかげで安定性も完璧に近いが、反面、着脱性に難がある。個人的な趣味でいえば、ハンガーの柔らかいケーブルに交換して、もっとカジュアルに使いたいところ。ただイヤーモニター型ハウジングの利点は装着安定性にあるのであって、この付属ケーブルの選択は間違っていない。
ちなみにこのケーブルはマイクとボタン付きで、再生機器との接続側は4ピン仕様のミニジャック。iPhone 5cとiPad Pro(第2世代)で試したが、マイクの音声は明瞭で、ヘッドセットとしても有用。ただしボタンは通話やSiriの呼び出しには使えなかった。