2018年春モデルは狭額縁4K液晶搭載で奥行きはついに20センチ切り!!
新XPS13 試用レポート 完全新設計の超挟額最速ノートなのだっ!!
2018年03月14日 08時00分更新
Dellは年初のCESで新しいXPS13と15を発表した.15インチのほうはRadeonのGPUを内蔵した「Gシリーズ」というインテルCPUを採用していて注目なのだが発売はまだ先である.第8世代(8G)コア搭載の第2世代であり、新設計となったXPS13(2018年モデル)の製品モデルが届いたので試用してみた.
狭額縁の元祖が
ついにフルモデルチェンジなのだ
狭額縁の元祖である現行のXPS13は、2015年のCESで鮮烈にデビューして以来、これまで主にCPUのアップデートで新モデルを更新してきた.最近では2017年秋の8Gコア搭載モデルが印象に強い.ベンチマークテストをしたら高速だったからだ.
今回の2018年春モデルは、これまでのバージョンアップとは異なり、ボディが新設計となっている.
まず全体のサイズでいうと、床面積は従来の304×200ミリが、今回は302×199ミリと、スペック上は横で2ミリ、奥行きでは1ミリ小さくなった.厚みは9~15ミリだった前モデルから7.8~11.6ミリと、こちらは全体的に3.4ミリの減少だから、約30%もスリム化している.
新モデルだけ手にしたときはわからなかったが、実際に重ねて比べてみると、底面積も、ひとまわりとまではいかないが、小さくなっている.厚みは明らかに薄くなっており、特に液晶の後ろ側、蝶番の部分で明らかに薄い.
対して「重さ」はそれほどでもない.従来モデルでは最低で1.2キロで、タッチディスプレイでは1.29キロとなっていたが、今回はタッチ対応・非対応ともに1.21キロというアナウンス.つまりタッチ対応モデルのみ軽くなったことになる.
実測してみたが、確かに新モデルのタッチは1210グラム、前モデルのタッチは実測で1310グラムだったから、100グラム軽くなっている.
んがしか~し、というか、なんと内蔵バッテリーの容量が減っている.前モデルまで60Whだったのが、今回は52Whなのだ.ひょっとして、この減少によって1.2キロをキープしているのかもしれないのだ.
液晶は、これまでフルHD(1920×1080ドット)とQHD+(3200×1800ドット)から選べたが、今回はフルHDと4K(3840×2160ドット)の2択となっている.日本モデルはフルHDがノンタッチで4Kがタッチディスプレイだ.
額縁幅は約4ミリで、従来より23%狭くなったそうだが、元々とっても狭いので、パッと見にはわからない.液晶のサイズは同じ13.3型だから、ボディ全体の幅が2ミリつまったぶんというのはイコール額縁が狭くなったということになる.
4KディスプレイはsRGBカバー率100%でコントラスト比1500対1と鮮明だ.前モデルでは額縁と一体になっていた表面ガラスは、今回から液晶が一段奥まったデザインに変わっている(ともにタッチモデル).
パームレストが微妙に繊維
黒と白で異なる材質を採用している
今回、新色として「ローズゴールド+アルペンホワイト」が加わった.前モデルはシルバーとロールゴールドの2種類で、それは天板と底板の色であり、内側はともに黒だったのだが、今回のホワイトモデルは内側が白い.
その白を実現するために、内側の素材が「シルバー+ブラック」とは異なる.カーボンファイバーでは内側が黒くなってしまうので、白い「編み込みグラスファイバー」を採用しているのだ.ボディの色によって、本体の材料が異なるというのも珍しいのである.
熱処理でも新素材が採用されている.「GORE Thermal Insulation」という熱伝導率が「低い」素材で、ヒートパイブ(熱源から空冷部分に熱を運ぶ)を覆って、途中で放熱しないようにしているそうだ.
細部にわたるデザイン変更
キーボードはキーが2つ追加になった
ちなみに底面を見比べてみると、吸気のためのスリットの幅が大きくなっている.8Gコアをきちんと冷却するには必要な措置なのだろう.
キーボードの配列も変更となり、まず、評判が悪かった「スリム」なリターンキーが幅10ミリからなんと15ミリへと大型化されている.キーボードの幅は同じなので、そのぶん@や[キーの幅が狭くなっているようだ.
ファンクションキーに割り当てられた機能も変更があり、F11と12が画面の明るさ変更から、PrtScrとInsertになった.代わりに上下カーソルのFn機能として画面の明るさが設定され、PgUpとPgDnが独立キーとして左右カーソルキーの上に増えている.
さらばタイプAちゃん
さらばACアダプター端子くん
インターフェイスはタイプC×1+タイプA×2から、すべてタイプCで左に2つ、右に1つとなった.また、SDカードスロットが標準サイズからマイクロSDサイズに縮小されている.出先でデジカメデータを取り込みたい我々取材班としてはちょっと残念だが、フツーのみなさんとしてはスマホのメモリを直接させるほうが便利だろう.
カメラは液晶の下に位置するのだが、IRカメラも設置されたので、Windows Helloの顔認識に使うことができる.試しにやってみたが、認識はとても速い.カメラの左右に赤いLEDが仕込まれていて、PCを起動したあとログイン画面のときにそこがチカチカ光るのがかわいい.
指紋センサーは、前モデルまでキーボードの手前に存在していたのだが、新モデルではなんと電源ボタンに仕込まれた.HuaweiのMateBook Xが先に内蔵していて、さすがスマホメーカーのPCですねとか言っていたのだが、便利な機能はどんどん取り入れるDellは素早いのである.
最速モバイルの地位はゆるがず
発熱対策で速度低下も最小限に
CPUは現状i5-8250Uとi7-8550Uが選択可能.メモリは最大16GBでSSDは最高1TBまで搭載できる.今回のベンチマークは、白モデル4Kタッチのi7、メモリ8GB、SSD256GBで実施した.
まずはおなじみのCinebenchでは、CPU値で682と、前モデル同様の680超えという最高レベルの値が出た.あいかわらず最速といっていいだろう.OpenGLでは49止まりだった前モデルより速くなり、54とこちらも最速クラスとなっている.新しい冷却システムが効いているようだ.
3DMarkのFireStrikeも1147と、前モデルの1094より上がり、これも最高レベルである.
CrystalDiskMarkはマルチ・シーケンシャルのリードが3400でライトが1412とこちらは前モデルの1867/1065より格段に速くなっている.ちなみにテスト機に搭載しているSSDはサムスンのPM961で、NVMeとなった成果が現れている.
注目のバッテリー駆動時間は、省エネOFFの「最も高いパフォーマンス」にして液晶は100%の明るさでBBenchで計測したところ、2時間5分駆動した.前モデルは同条件で約4時間動いたので半分になっている.
8Gコアは同じだが、バッテリー容量は前述のとおり15%減少している.4Kの高コントラスト液晶の消費電力は大きいだろう.また、吹き抜けがよくなったぶん、WEB巡回でもCPUが回ったのかもしれない.試しに速度設定を2段階落として「推奨」にしてみたところ、同条件で3時間18分もった.せっかちなキミやボクも、モバイルのときは推奨にしておいたほうがいいだろう.
充電のほうは、同じ状態で50%まで48分、70%まで1時間16分、90%まで2時間5分かかった.前モデルでは50%まで55分だったので、高速充電能力は向上している.
前モデルと今モデルはACアダプターの端子が専用からタイプCへと変更になったうえ、アダプター自身のサイズというか形状も変更となった.19.5V2.31Aのみから、5~20Vの2.25Aとなり、出力はともに最高45Wである.このサイズのアダプターで、使用しながらの充電が50%まで1時間以下なら十分高速である.ちなみに新アダプターの重さは138グラムで極太のACコードが98グラムの合計で236グラムである.
さらに高速になって
狭額縁4K液晶も魅力
いまだ8Gコア搭載のモバイルノートを発売していないメーカーもある中、すでに8Gで2世代目のXPSを発売するデルの勢いはスゴい.前モデルは若干発熱によって速度が低下することがあったが、今回の新デザインでそれはなくなった.
今回は白モデルを試用したが、もちろん黒もあるのでご安心を.狭額縁のモバイルノートのほうがメジャーな存在になってきた今、元祖であるXPS13の新デザインモデルはやはりとても美しい.日本人的にはちょっと重いけど、魅惑のモバイルノートなのである.