MMCX端子でリケーブル対応
9mm口径のダイナミック型なら薬莢型のハウジングも成り立ったはずだが、あえてイヤーモニター型にしたのは、MMCX端子の利用を前提にしたからだろう。というわけで隼は汎用のMMCX端子採用で、リケーブルに対応する。
付属ケーブルの耳に当たる部分にはチューブが被せてあって、あらかじめ弧を描くように整形してある。ワイヤーは入っていないが、ハウジング自体の安定度が高いので、これで十分。ケーブルの線材は6Nグレードの単結晶銅にシルバーコートしたものだそうで、4芯の編み込みタイプというちょいマニア仕様。
比較的細く軽く、日常利用に不満はない。難を言えば、若干折り目がつきやすいことだろう。ポータブルアンプを使うユーザーであれば、いわゆるバランス型のケーブルと交換したいところと思うが、通常の3.5mmステレオのイヤフォン端子に直結するのであれば、これで文句はない。
いま有線イヤフォンを選ぶなら
耳掛け式ならではの面倒はあるが、フィッティングに苦労することもないだろう。製品にはSpinFitなどシリコンタイプのイヤーピースが計3種類。これまでのDUNU製品からすれば、付属品は比較的少ない方で、これにステレオフォーンと航空機用の変換プラグ、そして付属品のケースが付く。
付属はしないが、さらに高い遮音性が欲しければ、コンプライの200シリーズが対応する。高域側のバランスが良いので、コンプライを試すなら、高域の吸収が少ないTsシリーズから始めるのが良いかもしれない。
イヤーモニターとしての勘所は、いかに解像度が高く、フラットな特性でまとまっているかという点にかかっているが、その点で隼は王道をいっている。これで2万円台半ばという価格はバリューフォーマネーだ。いま、あえて有線のイヤフォンを買おうというなら、まずこれは押さえておかねばという製品。
四本 淑三(よつもと としみ)
北海道の建設会社で働く兼業テキストファイル製造業者。MMCX端子付きのイヤフォンはMUC-M2BT1のようなBluetoothレシーバーとつなげるから便利(この製品はまだ試していません)