通常の音楽リスニングに加えて、現在では立体音響をイヤファンで得る機会が増えた。VRやゲームのほか、映画やライブ映像などが立体音響を採用しているケースが多く、対応したイヤフォンであれば、より臨場感のあるコンテンツが楽しめる。
VRに関してはヘッドフォンを装着するのが面倒なヘッドマウントディスプレーもあり、どちらかといえばイヤフォンのほうが楽という人もいるはず(とくにメガネッ子諸兄ら)。というわけで今回は、上海問屋のHDSS搭載3Dイヤフォン「DN-915211」をチェックしていく。
DN-915211はよくあるカナル型イヤフォンで、ハウジングにアルミニウムを使用、ケーブルはTPU被膜でタッチノイズやひっかかりを抑制してる。ポイントはHDSS(High Definition Sound Standard)を採用しており、直径6mmETLモジュールを搭載している点。これは低コストで音質の向上するというものだが、立体音響向きともされており、すでに採用するイヤフォンが多く登場している。
スペックは、再生周波数帯域が5Hz~70KHz、感度が100dB、インピーダンスが16Ω。ダイナミックドライバーは直径10mmとけっこう大きい。またケーブル長はY型で約1.25m。シリコン製イヤーピースはS/M/Lサイズが付属している。
実際に3Dサウンドで作成されたコンテンツで視聴してみると、音の位置がよくわかる。水平軸だけでなく、斜め上や下方向の位置もわかるため、VRコンテンツ向けといえるだろう。
個人差はあるだろうが、真後ろからも音が鳴っているように聞こえやすく、FPSやTPSにも向く。「Razer Surround」や「Windows Sonic Audio」でも効果を確認できたため、とりあえず、低コストで3Dサウンド環境がほしいと考える人にも検討してほしい。
また2ch前提で処理されたコンテンツの場合は、これも人によって違和感を感じる可能性はあるものの、分離が明確であり、どちらから音がしているのかがよくわかる。Voはくっきりと浮くので、音楽だけでなく、言語学習やラジオ、ドラマCDなどとも相性がいい。議事録の録音データを文字起こしする場合にも都合がいいため、立体音響前提という印象が強くあるが、普通にイヤホンとしても運用にも耐えてくれる。
価格は4500円。昨今のイヤフォン事情からするとエントリー価格となるが、疲れにくく、クリアな出音が魅力の製品だ。試聴してみないとわかりにくいが、立体音響にも対応しており、出番は多いだろう。店頭でチェックをオススメしたい一品だ。