お買い得そうなデジカメを見つけた。光学45倍という超望遠レンズを搭載しながら、現在の実売価格が2万5000円前後というキヤノンのデジタルカメラ「PowerShot SX430 IS」である。しかも、発売時期は2017年なので、バリバリの現行機種だ。
35mm判換算で24-1080mmまでをカバーできるということで、デジタル一眼は持っているが望遠レンズは持っていない筆者としては、サブ機としてちょっと興味がある。そこで、試してみることにした。
一眼レフのミニチュアのようなコンパクトサイズ
製品を目の前にして驚いたことが2つある。1つ目は本体サイズ。光学45倍というからには一眼カメラに近い大きなサイズだろうと思っていたが、幅104.4×奥行き85.1×高さ69.1mmという、一眼レフのミニチュアなんじゃないかと思うような小ささ。
コンデジと呼んで遜色はなく、サブ機として考えるならうってつけ。またスマホユーザーにしても、光学ズームを使いたいシーンが出てきたときにこのカメラがあれば鬼に金棒。スマホカメラのサブとして持ち歩いてもよさそうだ。
驚くべきことの2つ目は、これだけ小型ながら無線LANを内蔵していること。専用アプリを使えば、スマホからリモート撮影や画像閲覧ができる。
さすがにBluetoothには非対応なので、スマホからのカメラ起動などはできないが、撮影画像をスマホに転送することは可能。撮ってすぐにSNSなどへアップできる。
最新モデルだがスペックはやや型落ち
一方で、低価格機ということで普通の望遠デジカメと比較して物足りない部分がある。
まずはスペック。撮像素子は2000万画素と普通だが、センサーはCCDを採用。現在一般的なCMOSセンサーと比べるとデータの転送速度や消費電力、ノイズについて仕組み的に不利となる。
画像処理エンジンも「DIGIC 4+」という約4年前のもの。元となった「DIGIC 4」が登場したのは2008年、つまり約10年前となり、最新のもの(DIGIC 7)よりは画質的にもレスポンス的にも劣る。感度設定はISO 1600までで、撮影速度は2秒に1枚だ。
機能面としては、ライブビュー画面を見ながら明るさや色彩、暖色~寒色の調整が行なえる「LIVE」モードや、撮影モードとしてオート以外にプログラムAEが使えるが、マニュアル系や速い被写体を撮るモード、HDRやタイムラプス動画といった最新の機能については搭載されていない。
実は、上記の基本スペックについては2016年に発売された前モデル「PowerShot SX420 IS」と変わらないため、機能面の型落ち感は否めない。
ちなみに、進化点はズーム倍率が光学42倍から45倍になったことと無線LANに対応したこと、2gほど軽量化されたことだ。
また、ここまで高倍率なデジカメだとEVFが欲しくなるが、本機は非搭載。そして背面モニターは約23万画素(最新のデジカメだと100万画素前後が一般的)と比較的低解像度なので、画像の細かい確認がしにくいというデメリットもある。