ほんの5年前が随分前のように感じるモバイル業界。その5年ほど前に時代の寵児としてもてはやされたのが中国のXiaomi(小米、シャオミ)だ。スタイリッシュで比較的高性能、なのに低価格。スマートフォンがまだ成熟しきっておらず、巨大な自国市場という基盤もあり、欧米メディアもこぞって取り上げた。そのXiaomiが、2018年中にIPOを予定しているという。
目標評価額は1000億ドル? Alibaba以来の大型IPOとなるか
XiaomiがIPOのための準備を進めているようだ。Financial Timesなどの経済紙によると、年内のIPOに向け準備に入っており、IPOに必要な引受証券会社としてGoldman SachsとMorgan Stanleyなどを指名しているようだ。IPOは2018年後半とみられており、目標評価額はなんと1000億ドルとも言われている。
中国企業としては2014年にニューヨーク証券取引所に上場を果たしたAlibabaに次ぐものと言われているが、世界的に見ても大変な規模のIPOとなりそうだ。
Xiaomiが最後に資金調達をしたのは2014年で、当時の評価額は450億ドルというから、同社の価値は4年で倍増したことになる。
実はそのシャオミは、2014年ごろがピーク期とささやかれ、2015年は出荷台数が目標に届かず。スローダウンが鮮明になった。一時期は中国市場でApple、そしてSamsungを超えて首位にたち、世界市場でも上位に食い込んだが、2016年はシェアを下げるなど、不調がたびたび伝えられた。
Appleにたとえられた初期
Xiaomiの創業は2010年のこと。翌年に最初のスマートフォンを発表した。多くのベンダーの例に漏れず、Androidをベースとし、Snapdragon、ソニー製センサーを採用したカメラなど、価格の割に高スペックな仕様、そしてデザインが受け入れられた。何と言ってもクチコミでわずかな台数を販売する”フラッシュセール”の手法で消費者の話題を集めるというビジネスモデルが大きかったように思う。店頭では手に入らず、オンラインのみ。中国の若者のハートを掴み、実際Xiaomiは自分たちの製品のユーザーを「ファン」と呼ぶ。
Xiaomiはオンラインをしっかり活用した最初の大手スマートフォンメーカーといっても良いだろう。「WeChat」など中国で人気のSNSを活用、単に”ファン”たちに新製品や次のフラッシュセールを告知するだけでなく、2013年秋に発表したフラッグシップ「Mi 3」ではWeChat上で販売することに。わずか10分で用意した15万台を売りさばいた。
このような勢いと、共同創業者でよく表舞台に立っていたCEO、Lei JunのスタイルがSteve Jobsに似ていたこともあり、Xiaomiは”中国のApple”、Lei氏は”中国のSteve Jobs”と喩えられた。同社のフラッシュセール手法に刺激され、たとえばHuaweiは中国でオンラインのみ「honor」シリーズを用意した(その後Honorはオンラインのみではなくなった)。
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