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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢第169回

海外展開のキーマンを失ったシャオミ、中国でも海外でも失速が鮮明に

2017年02月09日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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 Xiaomi(シャオミ)で国際展開を統括してきたHugo Barra氏が1月末、同社を辞めることを発表した。その2日後にはアバターでFacebookのMark Zuckerberg氏と並んで登場。VR担当のバイスプレジデントとしてFacebookに入社することを明らかにした。Barra氏は中国の大気汚染に嫌気が差していたともいうが、急カーブで成長と減速の曲線を描く、Xiaomiの今後を象徴する出来事になるのだろうか?

Androidプロダクトトップから中国企業へ
業界を驚かせたBarra氏

 浮き沈みの激しいスマートフォン業界で、Xiaomiが以前ほどの注目を集めなくなって久しい。そのXiaomiが1月のCESで初の発表会を開いた。当然ステージ立つのはHugo Barra氏だろうと思ったら、そうではなかった。今思うと、すでにこのときにはBarra氏の退社は決定していたのだろう。

 Barra氏はブラジル出身でマサチューセッツ工科大(MIT)を卒業。Xiaomiの前に勤務したGoogleでの活躍で知られる。GoogleでBarra氏はAndroidチームのプロダクト担当として、エコシステム全体に関与した。

 そのBarra氏は2013年秋、Xiaomi移籍を発表して驚かせた。2013年といえば、Xiaomiが”中国のAppleか”(こう言われたのは、Xiaomiの製品やマネジメントというより、Xiaomiの共同創業者、Lei Jun氏がSteve Jobs氏のような出で立ちだったことが一番の理由だろう)と世界のメディアの関心を集めていた頃だ。

 この時点でのXiaomiの中国国内でのシェアは当時5.3%、倍々ゲームで出荷台数を増やし、シェアも右肩上がりで増えた。翌年の2014年には、シェアは12.5%になり、Samsungからトップの座を奪った。

 この成長期でのBarra氏の起用は大きな話題となった。Xiaomiでは国際展開を統括するというのが役割で、インドなどのアジア地区、ブラジルなどの南米、最終的には米国、欧州に拡大するというのが青写真だった。

2014〜15年がピークで下降線をたどるXiaomi

 だがXiaomiに向かい風が吹き始める。Xiaomiのビジネスモデルで特徴的だったフラッシュセールは飽きられるようになり、毎度の売切にしびれを切らすユーザーもいたようだ。Xiaomiが話題をさらっていた3年前(2014年)、北京に住む友人は話題だったので数回試してみたが購入できず、知人のXiaomi端末を見て欲しくなくなったと漏らしていた。

 Xiaomiはファン(Xiaomiは自社ユーザーを”ユーザー”とは言わず、”ファン”と読んでいた)ミーティングなど話題作りには長けていたが、製品面では独自のUIであるMIUIに批判もあった。「バグが多く、修正も遅い」(Strategy Analyticsのアナリスト談)ため、移り気な若者はすぐに他のスマートフォンに乗り移った。幸い選択肢はたくさんある。Huawei、Oppo、Vivoなどの自国メーカーだ。

 そうして、成長に陰りが見え始める。2014年に6000万台を突破したXiaomiは、2015年は1億台という目標を掲げたものの、実際にはその7割の7000万台に終わった。目標には達しなかったものの、”中国No.1”と主張した。しかし、IDCのデータでは2015年は僅差でHuaweiを抑えてシェアトップ(15%)を維持したものの、2016年にはHuaweiはおろか、Oppo、Vivoにも抜かれている。

 非公開企業の同社の評価額もピークを過ぎた。つまりBarra氏着任から1年が(これまでのところ)Xiaomiの頂点だったと言える。

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