2017年は“中国のITがすごい”という記事や報道がしばしば露出した。今年もさらにビッグデータやAIなどを中心にIT産業が発展するだろう。
ところで利用者の主役は大人だが、将来大人の仲間入りをする中国の小学生や中学生は今、どんなネットサービスを使いこなしているのかについて、いくつかのキーワードとともに書いていこう。
今の中国の子供は日本のファミコン世代に似た環境に
今の小学生の親は、中国で初めてのデジタル世代である1970~80年代生まれであり、都市部/農村部を問わず、PCからインターネットを利用しはじめて、現在はスマートフォンメインで利用する世代だ。
それ以前の世代は、“知識を得ることをよしとしない”という当時の時代背景から、ハイテクには消極的な「断層」と呼ばれる世代である。
つまり、今とこれからの中国の小学生は、これまでの世代と異なり、日本人のファミコン世代の親のように、デジタル製品を子供に触らせている。
記憶では中国の10年前くらいは、小学生が中国では正規で発売されていないPSPやニンテンドーDSで遊んでいた光景をしばしば見た。
現在では携帯ゲーム機で遊ぶ子供はいなくなり、多くの子供たちがスマートフォンで遊ぶようになった。最初のトリガーとなったのは、「アングリーバード」ブームだろう。
また、iPadも当初はコンテンツプレーヤー的なデバイスであったが、「マインクラフト」の登場でゲーム機になったように思う。
ただし、学校にスマートフォンを持っていくのは禁止の傾向が強まってるようで、スマートフォンを持ってきた生徒からそれらを取り上げ校庭に集め、親の了解を得た上で破壊するというパフォーマンスがニュースになったことも。
学校の伝達事項はグループチャットが当たり前に
スマートフォン持ち込みが禁止の風潮の一方で、学校にはパソコン室があり、電脳課の授業がある。奥地の農村の学校にもパソコン室はある。
電脳課の授業では基本的なPCの操作の方法ほか、オフィスソフトの使い方を学ぶケースが多い。今の子供たちはPCよりもスマホのようで、PCが自由に使えて動画サイトを見てもゲームを遊んでもいいという状況でも遊ばない子供がそれなりにいるようだ。
親子ともデジタルネイティブなのでクラスの伝達は、学校内での口頭での伝言のほか、先生と各保護者が登録した騰訊(Tencent)のインスタントメッセンジャーの微信(WeChat)のグループチャット機能も活用して行なわれる。
したがって伝達は、日本のようにわら半紙などを使うことなくペーパーレスの学校が多い。特に都市部であれば微信を使いこなさなければ、学校の連絡すらまともにできないのだ。
いつ何時でも親に連絡ができる環境になったことから、夕方や夜になってから先生が思い出したように追加の持ち物や宿題を指定する風潮も各地で聞く。
では、子供も微信を使うかというと、これは人によりけり。親によっては子供に対し微信の電子決済機能で好きに電子マネーを使うことを許可し、日本やドイツの高級文房具を買い自慢する人もいる。
それは希少な例としても、日本の輸入文房具を購入する子供は大都市を中心に少なくない。
微信を使わず騰訊のインスタントメッセンジャーの「QQ」を利用する子供もいる。QQを使う理由は「インターフェースが好き」「ボイスメッセージが強みでないのが逆にいい」「微信の機能が鬱陶しければQQ」などもあるが、もちろん「ほかの人が使っているから自分も使う」という要素が大きい。騰訊によれば、微信利用者の6割が25歳以上、QQ利用者の6割が25歳以下だそうだ。
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