Radeon内蔵のRyzen APUは
2月12日に発売
さて、一番興味ある部分はデスクトップ向けのRyzen APUであろうかと思われる。モバイル向けの出荷が無事開始されたことで、次はデスクトップ向けとなった。そのRyzen APUであるが、2月12日に「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」の2製品が、それぞれ169ドルと99ドルで発売されることが明らかにされた。
この結果、2018年は同社の製品はRyzen 3とRyzen 5でAPUとディスクリートCPUの両方が用意される形になる。ちなみにパッケージについても、APUはそれが明確にわかるように変更される模様だ。
このRyzen APUの性能に関してが下の画像である。もちろん4K解像度でのプレイは論外であるが、フルHDまでの環境であればそこそこ使えるレベルの性能になっているのがわかる。
従来製品の価格を改定
また今回の発表にあわせて、従来製品の一部を値下げしている。もっともこれは、競合製品と比べて価格競争力を増すという側面のほかに、Zen+コアの製品の出荷前に、既存のZenコアの製品をある程度在庫処分してしまいたい、という意向もやや感じられる価格付けではある。
幸い、Zenコアそのものはこの後も継続して生産・出荷される(主にサーバー向けのEPYCと、長期供給保障のついたRyzen PRO向けであるが)予定なので、あわてて処分する必要もないわけで、その意味ではそれほど極端に価格が下がっているわけでもない。
とはいえ、Ryzen ThreadRipper 1900Xでは100ドル、Ryzen 7 1800Xでは150ドルの値下げなわけで、これは結構お買い得感は高いと思われる。
ただ逆に言えば、現時点でここまで値下げしてしまうと、今後Zen+コアが登場した時に既存のZenコア製品が大きく値下げされる、という望みは薄いと思われる。
その意味ではこの価格改定が行なわれた今が買い時と言えるかもしれない。その新価格における、200ドル未満の製品での性能比較が下の画像で、インテル製品に比べて高い競争力を持っているというのがAMDの主張である。
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