イベントで選手本人に見てもらおう
野球ゲームシリーズ「実況パワフルプロ野球」(以下、パワプロ)は、実在の選手が、実名で登場するのが特徴の一つです。当然、選手一人ひとりのデータが違うわけで、各々の能力は異なります。
選手にしてみれば、ゲーム内のデータとはいっても、「この評価はどうだろう」「自分はもっと上だと思う」と思うかもしれません。実際、テレビ番組やSNSなどで、プロ野球選手がゲームのパラメーターに対して言及する(冗談の範疇かもしれませんが)例もありました。
6日、幕張メッセにて「パワプロチャンピオンシップス2017 全国決勝大会」が開催されました(関連記事)。モバイルゲーム「実況パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツA」の最強プレイヤーを決める大会で、プロ野球選手もセントラル・パシフィック両リーグの12球団から、選手が1人ずつ出演しました。
選手の中にもパワプロ好きは少なくありません。中日ドラゴンズの小笠原慎之介選手や、福岡ソフトバンクホークスの田中正義選手は、子供のころからパワプロシリーズに親しんできたそうです。
自分やチームメイトが実名で登場するとなれば、野球の能力がどのように評価されているか、個性がきちんとデータに反映されているか、気になりそうなものでしょう。
今回は、パ・リーグから参加した6選手に、「実況パワフルプロ野球2016」から自分の選手データ(2017年シーズン終了時)に対してコメントしてもらう試みがありました。
評価から改善点を見つける派
田中正義選手、菅原秀選手
まずは福岡ソフトバンクホークスの田中選手。「野球を始めたきっかけは、兄とのパワプロ」と語るほどのシリーズファンだそう。2017年はケガに苦しんだこともあり、自分の適正「先発/中継ぎ」に対して「先発をやりたいと思っている」「(中継ぎの適正を外したい? との問いに)そうですね」と、マジメな感想。
東北楽天ゴールデンイーグルスのルーキーである菅原秀選手は、変化球の変化する数値について「自信があるので」と納得の様子。ただ、コントロールがF評価、マイナスの特殊能力「四球」が付いてしまっていることには「改善すべき点だと思います」としつつ、「再来年ぐらいに外せれば」と天然(?)の回答。MCである、ますだおかだの2人をズッコケさせていました。
数値を謙虚にとらえる派
山﨑福也選手、上沢直之選手
パワプロ好きを自認するオリックス・バファローズの山﨑福也選手。ドロップカーブとチェンジアップの変化量「3」や「対左打者(C)」などのプラス特殊能力のみならず、「四球」「スロースターター」「一発」などのマイナスにはたらく特殊能力に対しても「当たってますね」と断言し、査定に納得。ただ、「打球反応○」の評価だけは「ピッチャーにはあんまりボールが飛んでこないので」と実感が薄かったようです。
日本ハムファイターズの上沢直之選手は、パワプロでは「サクセスモード」が好きだとか。自身の能力に関して異議を唱えることなく、むしろ「特殊能力がないのでつまらないのでは」と謙遜。ますだおかだの2人に「このチームに強いと主張すれば『○○キラー』が付く」と振られると「そういうことを言うと、語弊が生まれるかもしれないです」と苦笑いでした。
「もうちょっと上げてほしいかな」派
森友哉選手、有吉優樹選手
埼玉西武ライオンズのスラッガー、森友哉選手。ゲームの経験はあまりないそうですが、能力を見て「よい感じだと思います」と破顔一笑。とくに「対左投手」の能力が高いことには「(左投手に)苦手意識はないですね」と納得でした。ただ、捕手としてはネックになる「送球」のF評価には「その通りだと思いますが、もうちょっと上げてほしい」と、開発陣にお願いを。
千葉ロッテマリーンズの有吉優樹選手は「栄冠ナイン」モードをやり込むほどのパワプロ通。しかし、自分の変化球にカーブとチェンジアップがないことに関して、「投げているんですが、(開発陣に)認識されないぐらい球が曲がっていないのかな」とさびしい気持ちを吐露。ただ、変化球「Vスライダー」の変化量に「(落ちる球として評価してくれて)ありがたい」と喜んでいました。
パ・リーグ6選手による自身のデータに対する評価を聞く限り、「ここをもうちょっと……」との声も多少あったものの、全体的にはパワプロの査定に違和感はないようでした。
しかし、もう一つ気になることがあります。最新のパワプロシリーズでは、アップデートによりパラメーターが変更されます。つまり、シーズンでの成績がゲーム内の評価に反映されるわけですが、選手が納得できる変化になっているのでしょうか?