Titanium認証の「PRIME」をテスト
体感できる形で価格の差は現れないが、PCの安定性に影響する大事な部分になる電源ユニット。コスパを重視するなら、【品質もコストも◎な鉄板の電源ユニット】で紹介した定番電源ユニットのひとつであるCooler Master「V Semi-Modular」シリーズが狙い目だが、鉄板としてほとんどのショップスタッフが最初に上げるSeasonic製品も気になるところ。
そんなSeasonic製電源ユニットの最上位ラインアップとなる80PLUS Titanium認証を取得した「PRIME」シリーズの750Wモデル「SSR-750TD」を触る機会を得られたので、「V750 Semi-Modular」と同じ環境でテストしてみた。
今回試した「PRIME」シリーズは2016年10月に発売されたSeasonic初の80PLUS Titanium認証取得モデルだ。
Seasonicの最新設計を採用しており、負荷に応じて変動する出力電圧の負荷レギュレーションにおいて、変動幅を0.5%という負荷制御の許容範囲内に収める「MTLR(Micro Tolerance Load Regulation)」や、高静粛性、低消費電力、長寿命をうたう135mmFDBファンなどを採用。12年間のロング保証を実現している。
ただし、12月下旬に後継モデルとなる「PRIME Ultra」シリーズが登場。「MTLR」、135mmFDBファンなどの特徴や出力スペックは「PRIME」シリーズ(型番末尾“TD”)と同じだ。
80PLUS認証を行なっているEcova Plug Load Solutionsのウェブサイトで確認すると、型番末尾“TR”となる「PRIME Ultra」シリーズの「SSR-xx0TR」と、「PRIME」シリーズの「SSR-xx0TD」の認証日は同じ“2016年4月21日”になっている。
この「PRIME Ultra」シリーズは、Seasonicのグローバルサイトにも載っており、間違いなく「PRIME」シリーズの後継に位置しているが、明確な違いはパワーテスターやロゴステッカーといった付属品だけかもしれない。
すでに秋葉原では在庫が入れ替わっているので、旧型ならではの処分特価は期待薄だが、650Wモデル「SSR-650TD」は、2万6000円前後で若干残っているので狙い目かも。
負荷テストを実施して出力変動をチェック
「V750 Semi-Modular」をテストした際と同じ、CPUにHaswell-Eの8コア/16スレッドの「Core i7-5960X」、ビデオカードにGeForce GTX 1080 Tiを使用したハイエンド環境に、「SSR-750TD」を接続。
システム診断ツール「AIDA64」のストレステストや「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を実行し、+12V、+5V、+3.3Vの出力を「AIDA64」を使ってモニタリングしている。
出力変動のスクリーンショットは、波形の変動がわかりやすいように、負荷テスト停止後、若干放置した状態で取っている。
なお、参考として負荷テストは、7年近く検証環境で使用しているSeasonic製「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD認証)でも行なっている。検証環境用なので毎日稼働させているわけではないが、7年間使っているため、Seasonicの品質をみるのに良いだろう。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-5960X」 (8コア/16スレッド、定格3.0GHz、最大3.5GHz、TDP 140W) |
マザーボード | ASUS「RAMPAGE V EXTREME」 (Intel X99 Express) |
メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」 (DDR4-3000MHz@2666MHz/8GB×4) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce GTX 1080 Ti」 |
SSD | SAMSUNG「950 PRO」(NVMe 512GB) |
電源ユニット | Seasonic「SSR-750TD」(750W、80PLUS Titanium) Seasonic「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
まずはOS起動後、なにもせずに20分程度放置したアイドル状態をチェックする。出力変動を表示する「AIDA64」の「Voltages」を見ると、波形は完全にフラットで、最小、最大、平均値を記録する「Statistics」でも変動幅は記録されていなかった。
この連載の記事
-
第60回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】美観を損ねるチューブが目立たない! LIAN LIの水冷「HydorShift AIO」は内部を見せたい派必見 -
第59回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】ギッシリ詰め込んだ感が最高な小型ケースでPCを組んだら想定外のことが多数起きた -
第58回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】3GB/秒の爆速外付けSSDを自作できるAOTECHのUSB4エンクロージャー -
第57回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】「DeskMeet X600」と組み合わせたいCPUクーラーを見つけ出す! -
第56回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】天然木フェイスが秀逸なPCケース「North」を触ってみた -
第55回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】PCIe4.0最速クラスで2TBが2万円切り!SUNEASTのSSD「SE900 NVMe 70」を使ってみた -
第54回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】大型水枕を装備するAlphacool製水冷ならCore i9-13900Kを余裕で冷やせる? -
第53回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】定番CPUクーラーDeepcool“AK三兄弟”の実力を再チェック! -
第52回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】定番140mmファン4製品の性能を比較 -
第51回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】用途や環境によっては500GBで十分! WD_BLACK SN770の500GBを試してみた -
第50回
PCパーツ
【鉄板&旬パーツ】DeepCoolの白色クーラー「AK620 WH」はCore i9-12900KFを冷やせるか? - この連載の一覧へ