2017年12月16~17日の2日間、東京・秋葉原で開催された「ポタフェス 2017 -WINTER Tokyo Akihabara -」。現地からのレポートを注目ジャンルに絞って紹介していく。まずはハイレゾプレーヤーの新モデル。
最近、ハイエンドDMPがやたら重くなっている。
Astell&Kern「A&ultima SP1000」のステンレスモデルは386.6g、ソニー「NW-WM1Z」が455gである。これはもう気軽にポケットに入れて持ち歩ける重さではない。もっと気軽に音楽が楽しめる軽量プレーヤーが欲しい。そんな思いを胸に抱いてポタフェス2017の最新DAPを試聴してみた。
その操作性と音質でオススメの機種はどれなのか。リファレンスモデルをソニー「NW-ZX300」実売価格約6万円と「NW-A45/16GB」実売価格約2万円に定めて、200g以下の新型DAPを聴いてみた。
新ブランドACTIVO「CT10」は中低音重視でエッジの効いた音
ACTIVOは、groovers Japanのポータブルオーディオブランドで「CT10」はAstell&Kernの一体型モジュール「TERATON」を使っているのがミソ。モジュール化すればスマホやカーナビにハイレゾ対応のオーディオ機能が簡単に組み込めるのだ。
このモジュールの中にはDAC、クロック、ヘッドフォンアンプなどが収められ、電源を用意するだけでDAPが完成する。音はAstell&Kernっぽいのかと思ったのだが、中低音の量感があり、それに負けないようにシャープな高音をぶつけている。音色はややドライでカラッとしている。独特の空間感があり、そこにわずかにAstell&Kernらしさを感じた。発売時期価格未定だが300ドル以下を目指すそうなので、予想実売価格は3万4000円としておこう。
インターフェースは「A&ultima SP1000」に準拠しており、タッチパネル操作がメイン。ボリューム調節用のダイヤルは独立している。ストレージ容量は16GBで最大256GBのmicroSDカードに対応。DACはシーラス・ロジックの「CS4398」を搭載。USB DAC機能、USBデジタルオーディオ出力にも対応する。
Wi-FiとBluetoothに対応。DLNA Link機能も使える。重量約112gと非常に軽い。PCM/192kHz、DSD128はPCM変換で再生できる。連続再生約10時間。
この機能とインターフェイスを備えて、もし3万円台前半なら非常にハイコスパ。中華プレーヤーの中にはタッチパネル非搭載で、アルバム表示でサムネイルが表示されないモデルもあるが、「CT10」はインターフェースの面でもソニーに対抗できる。
バランス対応で解像度を上げたaudio-opus「OPUS#1S」
audio-opusは、いまのところDAPだけを製品化しているオーディオブランドである。最初にDACを決めて、それにあった回路とボディを作っているようだ。現在、OPUS#1から3まで発売中。私が好きなのはES9018K2Mを2基使ったフルメタルボディの「OPUS#2」である。フルバランス構成で、解像度が高く音場感に優れた音を聴かせてくれる。
「OPUS#1S」はOPUS#1の後継機で、DACをシーラスロジックCS4398からモバイル向けのCS43198に変更して2基搭載、直径2.5mm4ピンのバランス出力に対応。PCMは192kHz/24bitで、それ以上の場合はダウンコーバートして再生可能。DSDはPCM変換で再生する。DSD5.6MHz(DoP方式)でUSB出力対応、USB DACとしても使えるが現行のファームウェアでは48kHz/16bitまでの制限がある。
OPUS#1Sの音は、これと比較すると粒立ちをやや抑えて、なめらかでウォームな音色。女性ボーカルが心地よい。「OPUS#3」に比べて解像度が高くハイレゾ音源の恩恵を感じられる。クセのない音で音楽のジャンルを選ばない。
液晶ディスプレーは4インチのタッチパネルで明るく操作性も良好。ストレージ容量は32GBでmicroSDカードスロット2基を搭載して512GBまで容量を追加できる。重量190g、実売価格は約5万円だ。
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