電通と日本マイクロソフトは12月13日、マイクロソフトのクラウドAI API「Cognitive Services」を使って、「リアルタイムオーディエンス分析・効果測定」と「視線検知」の機能を実装したOOH広告(屋外広告)の提供を開始した。
同システムでは、デジタルサイネージの前を通過した人数を認識することに加え、オーディエンスの性別・年齢・感情(怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、悲しみ、驚き)、オーディエンスの顔の向きと視線(広告のどの部分を見ているか)を判別し、判別した情報に応じて広告を出し分ける。さらに、広告主に対して、取得したオーディエンスに関する情報をPower BIのダッシュボードでレポートする。
同システムの提供開始にあたり、2社は、資生堂ジャパンの協力を得て、12月11日~12月24日に、都営地下鉄六本木駅の1番線・2番線ホームのデジタルサイネージ「六本木ホームビジョン」で広告効果測定の実証実験を行う。
実証実験では、同駅に設置されているNEC製デジタルサイネージと、デジタルサイネージに搭載された画像認識センサーを活用し、オーディエンスの属性に合わせた広告表現の出し分けを行う。オーディエンスの性別・年齢・感情の判別は、デジタルサイネージで取得した顔画像をMicrosoft Azureにデータ転送し、Cognitive ServicesのFace APIを使って分析処理を行う。また、通行人数の把握には、中国Sense Timeが提供する画像認識技術を使う。同システムの開発には、NEC、クリエーションライン、フューチャースタンダードが協力した。
オーディエンスの顔画像をクラウドで分析し、広告利用する際のプライバシーへの配慮については、総務省が1月に公表した「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」に基づき、顔画像の利活用の過程(事前告知、取得、取り扱い、管理)ごとに対策を実施するとしている。