12月3日、都内でGOODSMILE RACING&TeamUKYOによる「レーシングミクサポーターズフォトセッション 東京撮影会」が開催された。例年通りであれば、スピーディー末岡から現場で渡される機材で撮影という流れだが、今年は撮影会の直前にソニーの「α7RⅢ」を購入したので、そのレビューも兼ねての撮影会参加である。なお筆者、2017年前半にα7RⅡを購入しているが、α7RⅢの予約開始日にソニーストアで価格を見ていたところ(ソニーストアで約37万円税別)、気がついたらご成約になっていた。働こう、2018。
足回りのよくなったα7RⅡが「α7RⅢ」
α7RⅢのイメージセンサーはα7RⅡと同じものを採用しており、約4240万画素。このあたりはすでに記事化されているの通りなので(関連記事)、応答性やAF性能、バッテリー駆動時間の向上が目立つマイナーアップデート機に見えるが、地味に別モノでもある。
10日ほど使用したインプレッションとしては「高画素なスタンダード機」だ。α7RⅡの不満点が解消された結果、妙なフットワークの良さが炸裂しているため、α7Ⅱの延長線上のノリで扱えてしまう。このあたりは、新型BIONZ XとフロントエンドLSI、大容量バッファの確保、α9っぽい操作感、位相差検出方式399点+コントラスト検出方式425点が大きい。もちろん、イメージセンサー自体は同じなので、撮影するジャンルによってはα7RⅡでもなんら困らないが、足回りの刷新と色作りが変更されており、JPEGレベルでは差を体感できる。量販店での展示でもよく分かる部分なので、購入を検討中であればα7RⅢとよく対話しておくといいだろう。
今回参加したレーシングミクサポーターズフォトセッション 東京撮影会は、1回あたりの持ち時間約25秒で撮影できるもので、ハウススタジオ内に定常光を設置した状態だった。そのため、AF速度やフォーカス精度が重要になるほか、連写耐性も人によっては必要になる。
α7RⅢの場合、フォーカス速度の上昇と瞳AFのおかげで、都合のいいボタンに瞳AFを割り当てておき、AF-Cでシャッターを押下していくだけなのでラクである。余ったリソースはフレーミングやポーズ指定などに回せる。また、α7RⅡの肌色はだいたいのシーンで土色になりやすかったが、そこが改善されているのもポートレート向けといえるし、スタジオ内での撮影であればAF追従性も申し分ない。
先に撮影時の設定に触れておく。ファームウェアが現行のUIになっており、細かい機能も増えている。測光であれば、従来のマルチ、中央重点、スポットに加えて、画面平均、ハイライト重点があり、ホワイトバランスには、雰囲気とホワイト優先も追加されている。このあたりは好みで選ぶものだが、白基調のスタジオの場合は、ハイライト重点とAWBホワイト優先で無難に進められるだろう。A/Sモードの場合、オーバー気味に露出補正をしておくと、設定同士がせめぎ合うからか、それっぽくなる。
また、屋外向けの印象があるが、マルチ測光時に顔を検出して、その部分で測光をするという機能もあるので、状況によって使い分けるのもいい。α6500やα9ユーザーの場合は、すっかりおなじみの機能もあるが、α7第2世代からとなると新機能なので、あれこれと設定をチェックしてみよう。個人的には、APS-Cとフルサイズの切換機能をカスタムボタンや、フォーカルホールドボタンなどに割り振ると小便利で気に入っている。
設定や画面で気になるのは、α9に引き続き機能名に意味不明なものがあったり、フォーカスポイントがグレーで移動させているときに背景によってはわかりにくいなどだ。
ということで、ほとんどのシーンで、ハイライト重点測光、AWBホワイト優先を基本設定として、クリエイティヴスタイルはポートレート、もしくはニュートラル(彩度+1)で、AF-Cに設定し、瞳AFをオンのまま、うろうろしながら撮影していた。スタジオ内での撮影+少しの動きくらいであれば、良好な使い勝手で、あまり気になる点はナシ。もちろん、今後細かい部分で気になるところは出てくるだろうが、クリティカルなものはないだろう。そんなわけで、キュンときたら購入してから考えればいい製品だ。
次ページ以降のデータはJPEGで撮影したものを、長辺1280ドットにリサイズして掲載しているほか、色被りを補正しているものもある。なお撮影環境は、2部は定常光、3部は定常光+ストロボだ。