没入感の高さを求めるなら高スペックPCが必須!
マイクロソフトはWindows MRの動作環境として60Hz対応の「Windows Mixed Reality」と90Hz対応の「Windows Mixed Reality Ultra」を定義している。「Windows Mixed Reality」であればCPUは第7世代のCore i5以上で、グラフィックス機能はIntel HD Graphics 620以上。ハイエンド向けのノートでも十分クリアーできるスペックだ。この辺りの詳細は、日本マイクロソフトの「Windows Mixed Reality PC ハードウェア ガイドライン」を参照してほしい。Windows Mixed Realityに対応しているかどうか、手軽に確認したい場合には、「Windows ストア」でダウンロードできるソフト「Windows Mixed Reality PC Check」を利用するといい。起動してから数十秒程度で結果が分かりやすい表示されるのだ。
「Windows Mixed Reality」対応PCの条件 | ||
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種別 | Windows Mixed Reality | Windows Mixed Reality Ultra |
OS | Windows 10(Fall Creators Update以降) | |
CPU | 第7世代Intel Core i5以上(ふたつ以上の物理コア、Intel Hyper-Threading Technology) | 第4世代Intel Core i5以上(4つ以上の物理コア)、またはAMD Ryzen 5 1400(3.4GHz)以上(4つ以上の物理コア)、 |
メモリー | 8GB DDR3(デュアルチャネル対応)以上 | 8GB DDR3以上 |
ストレージ | 10GB以上 | |
GPU | 統合型Intel HD Graphics 620以上(DirectX 12対応)、またはNVIDIA GeForce MX150以上 | NVIDIA GeForce GTX 960/1050以上、またはAMD RX 460/560以上(DirectX 12対応) |
USB | USB 3.0端子(Type-AまたはType-C) | |
HDMI | HDMI(1.4以上)またはDisplayPort(1.2以上) | HDMI(2.0以上)またはDisplayPort(1.2以上) |
ディスプレー | 解像度800×600ドット以上のディスプレー | |
Bluetooth | Bluetooth 4.0(コントローラー用) |
実際にノートでWindows MRを試してみたところ、映像品質と動きのなめらかさがだいぶ違っていた。「Windows Mixed Reality Ultra」は描画がシャープでテクスチャーの精度が高いのに対し、低スペック向けの「Windows Mixed Reality」は映像がボンヤリしているのだ。
またゲーム系のコンテンツの多くは専用グラフィックス機能が必要で、内蔵グラフィックスのみでは動かない場合が多かった。低スペック向けの「Windows Mixed Reality」はバーチャルな空間を体験する程度ならいいのだが、本格的に楽しむなら「Windows Mixed Reality Ultra」相当のスペックに対応しておきたい。
さて実際のMRコンテンツについてなのだが、マイクロソフトのホーム環境を含めてまだ粗削りな部分が多いように感じる。特にホーム環境では部屋の中を行き来する必要性が感じられず、スティックで狙いを定めてから移動する操作も不便だ。この点については、今後のアップデートに期待したい。
また現状ではキラーアプリとなるMRコンテンツが見当たらない点にも不満があるものの、今後「マインクラフト」や「Halo」、「SteamVR」などのメジャーどころが対応する予定なので、アプリ不足については近いうちに解消されるだろう。
試しにMRコンテンツをいくつかプレーしてみたのだが、没入感は相当高い。なかでもMicorosoft Studioの「Halo Recruit」は実質的に体験版ではあるが、既存のVRコンテンツとそん色ないデキだ。ちなみに同コンテンツは「Windows Mixed Reality Ultra」対応なので、やはりMRコンテンツの真価を存分に楽しむなら高スペックのPCが必要だと言っていいだろう。