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個別業務のRPA/AI化は「顕著な効果が出ない」、業務プロセス全体の最適化を目指し「ACTS」展開

RPA/AI導入の「次」を実現するIT基盤、アクセンチュアが提案

2017年11月20日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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ゼロベースでの業務見直しで「前近代的な自動化発想」からの脱却を

 こうしたデジタル変革に対応し、業務/業務プロセスをゼロベースで再構築するZBPコンサルティングサービスについては、アクセンチュア 金融サービス本部 マネジング・ディレクターの下野崇氏が説明した。

 前述したとおり、現在のデジタルワークフォース導入のほとんどは、人間が行ってきた既存の業務プロセスをそのままRPAやAIで置き換えることが前提となっており、部分的な業務効率化にしかつながっていない。これをゼロベースで作り直し、業務プロセスの全体最適化につなげるのがZBPコンサルティングの狙いだ。

従来のデジタル活用による業務効率化の考え方と、ZBPコンサルティングのアプローチの違い

 下野氏は、業務プロセスの再構成において着目すべき要素は、そのプロセス全体の「インプット」と「アウトプット」、そして「制約条件(法令順守など)」の3つだけであり、既存の業務プロセスを踏襲する必要はないこと、また再構成実現のためのツールはすでに揃っていることを強調した。

 「これだけデジタル、デジタルと騒がれている割には、失礼な言い方かもしれないが、非常に『前近代的な発想』で自動化を捉えている企業が多い。金融機関は特にそれが顕著だと思う。これまでどおりの業務プロセスでというのは、たしかに何となく安心できるのかもしれないが、効率化という意味では顕著な効果は出せない。今回のZBPコンサルティングは、どうぞ新しい世界にためらわず乗ってきてください、とわれわれから提案するもの」(下野氏)

 下野氏は導入効果の例として、ある金融機関における海外送金業務の業務プロセス改善を紹介した。従来は複数部署で22種類の類似プロセスが存在したが、これを5プロセスに集約できたという。こうした見直しは、既存業務の効率化だけでなく、今後の新サービス(たとえば海外送金の仮想通貨への対応など)展開を迅速化する効果にもつながると、下野氏は説明した。

既存の業務プロセスを前提とせず、デジタルワークフォースの活用を前提としてゼロベースで業務を見直すことで、大幅な効率化が可能になる

 なお、アクセンチュアでは金融業顧客のデジタルエンタープライズ化支援のために、組織体制を拡充している。具体的には、金融サービス本部の配下に「ビジネス&プロセスチーム」「デジタルプラットフォームチーム」を新設したほか、昨年組成したAI/ロボティクスチームを「デジタルワークフォース/セキュリティチーム」と改め、強化している。

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