「無茶メガタスク」でもRyzen Threadripperは強かった
ゲームからクリエイティブまで快適に使えるモンスターPC『G-Master SLI-X399A』
2017年11月22日 11時00分更新
GeForce GTX 1080 Ti×2の威力をチェック
3D性能だけでなくGPGPUでも強力な性能を発揮する
2つのGPUを使って3D性能を大幅に引き上げる“SLI”は、高解像度かつ高画質でゲームをプレイしたい人にとって喉から手が出るほど欲しいもの。このSLI、基本的には3D性能を向上させるものなのだが、GPU×2という見方をすれば、GPUを使った演算処理、いわゆるGPGPUでも活躍してくれる。
FFベンチでこそ効果はなかったが、SLIでどのくらい3D性能が変わるのかを「3DMark」を使って調べてみよう。またGPGPUの例として、CGレンダリングを試した場合の性能がどう変わるのかもチェックしてみた。
負荷が高くなるほどSLIの威力を発揮
3DMarkのスコアは約1.83倍に!
3DMarkの中でもかなり重たいテストとなっているのが、DirectX 12を使う「Time Spy」。これをSLIの有効/無効を切り替えてテストしてみた結果が次の通りだ。
スコアは約1.6倍となっており、SLIの優位性がよくわかる結果となった。更に負荷の高い「Time Spy Extreme」の結果はといえば、SLIなしでのスコアが4457に対し、SLIありでは7874と、こちらも圧勝。約1.77倍と、さらにスコアを引き離している。こういった負荷の高いテストでは、やはりSLIの威力は絶大だといえる。
もうひとつ、DirectX 11のテストではどうだろうと、負荷の違う「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3つで比較した結果が次のグラフだ。
負荷が軽めな「Fire Strike」では約1.13倍しか上昇していないが、Extremeでは約1.63倍に。さらにUltraでは1.83倍と差が開いていくのが面白い。軽いものでは1枚でも十分性能が出きってしまっているのだが、重たいものになればなるほど、SLIが活きてくる。ゲームやドライバーの対応が必要とはいえ、高解像度&高画質でのゲームプレイが目的であれば検討する価値はあるだろう。
Ryzen ThreadripperはGeForce GTX 1080 Ti以上!?
1枚よりも2枚が強いGPGPU
基本的にGPUは3Dグラフィックをリアルライムに計算し、描画する役割を担っているが、この計算力の高さを別の用途に使うのがGPGPU。写真や動画のフィルター処理や、エンコードなどに使われるのが、よくある活用法だ。実はこれ以外にも使われており、流体、薬品、金属などの各種シミュレーション解析、ディープラーニング、ビットコインを始めとする仮想通貨など、膨大な計算が必要となる用途では広く活用されている。
NVIDIAのGPUも3Dグラフィック以外の計算が可能で、専用の「CUDA」というプラットフォームが用意されている。これを使うことで、GPUを使って各種計算ができるようになるわけだ。このCUDAを使った性能がどのくらいなのかを調べるため、先ほどCPU性能の比較で使ったCGレンダリングソフト、「Blender」でチェックしてみよう。
通常であればCPUを圧倒するだけの性能があるGeForce GTX 1080 Tiなのだが、さすがに16コア32スレッドのRyzen Threadripperの性能はすさまじく、単体での比較であればCPUの方が速いという驚きの結果となっている。ただしこれは、あくまでGeForce GTX 1080 Tiを1つ使った場合の話だ。SLI構成ではグラボが2枚刺さっているため、2つのGPUを同時に使えばさらに高速化が可能だ。実際1つのGPUを使った場合と比べ、約1.87倍にまで高速化していた。
GPGPUの例としてCGレンダリングを挙げたが、このように膨大な計算を繰り返し行う用途においては、GPUが1つの時より2つの時の方が高速化する。仮想通貨のマイニングでグラボを複数搭載する人がいるのも、このGPUの強力な計算能力をさらに強化するためだ。3Dゲームには興味はないけれど、GPGPUを使った高速処理には興味があるというのであれば、グラボの複数挿しはかなり有力なPC性能強化となってくれるだろう。