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「無茶メガタスク」でもRyzen Threadripperは強かった

ゲームからクリエイティブまで快適に使えるモンスターPC『G-Master SLI-X399A』

2017年11月22日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトラカクッチ

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16コア32スレッドの「Ryzen Threadripper 1950X」の実力に迫る

 最上位となる「Ryzen Threadripper 1950X」の魅力は、何と言っても16コア32スレッドというマルチスレッド性能。Ryzen7の最上位となる1800Xと比べても2倍のコア数になっており、実性能を測るまでもなく、Ryzen Threadripperの方が高性能だというのがよくわかる。

 とはいえ、せっかくの高性能CPUなのだから性能を詳しく知りたいと思うのは当然の流れだろう。ということで、いくつかのベンチマークソフトでその性能をチェックしてみた。

定番のCINEBENCH R15で3000オーバーを叩き出す高性能

 まずはマルチスレッド性能の比較に使いやすい、「CINEBENCH R15」から。コア数の多さを活かせる用途のひとつ、CGレンダリングから性能を測るベンチマークソフトで、スコアが高いほど高性能となる。

Ryzen Threadripperは16コア32スレッドのCPUだけあって、スコアは3000cbオーバーと完全に別格

 スコアは3018cb。さすがにここまでコア数が大きくなるとスコアのブレが大きくなってくるものの、それでも安定して3000cbを超えていた。動画のエンコードもコア数が速度に直結する用途だけに、画像や映像用として使うにはかなりいいCPUだといえる。

 他のCPUと性能がどのくらい違うのかが気になったので、手元のデータからいくつか集めてみたのが次のグラフだ。メモリーの構成もストレージもOSのバージョンも違っているため条件はそろっていないが、大まかな傾向を見るのには十分だ。

コア数の多さが速度に直結するCINEBENCH R15だけに、Ryzen Threadripperの性能はダントツ。どれだけ速いのかがよくわかる

 ざっくり言えば、Core i7-7700Kの3倍以上。Ryzen 7 1700やCore i7-8700Kとの比較でも2倍以上で、化け物クラスの性能といっていいものだ。これだけの性能を単一のソフトで使い切るのは難しいため、この速度をストレートに実感できることは少なそうだが、駄目メガタスクのような「ながら作業」であれば話は別。多数のソフトを起動しても性能低下を感じないことで、その実力の高さがわかるだろう。

 もうひとつ、同じCGレンダリングを使ったベンチマークとなる「BlenchMark」でも性能を試してみよう。「Blender」というフリーのレンダリングソフトを使ったベンチマークで、実際に3Dモデルをレンダリングし、その時間から性能を比べるものだ。ただ、今回はうまくベンチ機能が動かなかったため、同じ3Dモデルを使って手動で実行した場合の時間で比較した。

実際のソフトで3Dモデルをレンダリングしてその速度から性能を測るベンチマークが「BlenchMark」。今回うまく動作しなかったので、手動で計測した

レンダリングにかかる時間を比較しているので、数値が低いほど高速ということになる。Ryzen Threadripperの性能は、やはり圧倒的だ

 こちらはCore i7-8700Kのデータしかなかったためこれとの比較になるが、約1.8倍ほど高速化している計算だ。CINEBENCH R15のスコア比較と同じように2倍以上とまではいかないものの、これに近い差が出ているのがわかる。

「Ryzen Master」でゲーム性能がアップできるか試してみた

 いくら多コアCPUが高性能といっても、これはあくまですべてのコアを使う予定があっての話。ゲームのようにマルチスレッドでの性能上昇が限られたソフトであれば、他のソフトと同時に実行しても速度が落ちにくくなるだけで、速度が上がることはないわけだ。

 ゲームベンチの例として、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の結果を見てみよう。

1920×1080、最高品質、フルスクリーンでテスト。スコアは12430とあまり高くない結果となった

 スコアは12430。「非常に快適」という結果はゲームをプレイする上で問題ないのだが、GeForce GTX 1080 Tiを搭載するゲーミングPCとしては少々低いスコアだ。これは、先ほどのCINEBENCH R15のシングルスレッド性能からもわかる通り、コア当たりの性能が低い事の影響が少なくない。マルチスレッドに最適化されているソフトならコア数が多いほど性能が上がるが、そうでない場合、どうしても性能が上がりにくくなるためだ。また、今回試した環境はせっかくのSLIだったのだが、このベンチマークではうまく認識してくれないのか、スコアはシングル構成とほぼ同じになっていた。

 とはいえ、本来ならば性能が高いハズのPCなのに不本意なスコアのまま終わりにするのも納得がいかない。ということで、AMDの純正ツールである「Ryzen Master」でスコアが改善するか試してみよう。このツールはCPUコアのオンオフや、メモリーへのアクセス方法などをいじることができるもの。動作させるコア数を減らすと全体的な性能は落ちるが、XFR時の高クロック動作が期待できるようになるため、マルチスレッドに最適化されていないソフトでは性能が上昇する可能性があるわけだ。また、アクセスをダイに直結したメモリーに限定することでレイテンシーを下げるLocalモードにすれば、メモリーをあまり使用しないソフトで性能が上昇する可能性が高い。どちらも、とくにゲームで効果がありそうな機能といえる。

 実際「Ryzen Master」にはコアを半分(8つ)停止し、メモリーアクセスをLocalモードとする“Game Mode”という設定が用意されていたので、このモードに切り替え、先ほどのFFベンチのスコアがどのくらい変わるのかを試してみた。

コアのオンオフ、メモリーアクセスの変更などを設定できるAMDの純正ツール「Ryzen Master」。これを使い、“Game Mode”へと変更した

同じ条件にもかかわらず、スコアは大きく上昇して15680に。単純計算で約26%もスコアがアップしていた

 スコアは15680。単純な計算で26%ほども上昇しており、明確な差が出た結果だ。せっかくのRyzen Threadripperなのにコアを半分停止するというのは少し抵抗があるが、これで性能が上がるのであれば試さない理由はないだろう。なお、コア数の変更はPCの再起動が必要となるため、気軽に切り替えられるというわけではない。万能ではないものの、多コアでは動作が安定しないソフトや性能が出ないソフト、起動できないソフトがある場合は試してみるだけの価値はある。

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