11月8日、サイボウズのプライベートイベント「Cybozu Days 2017」では、kintoneの可能性の限界に挑む「kintone hack」が開催された。6人の選手たちは使い勝手やコスト、グローバルなどさまざまな「壁を超えるチャレンジ」を披露。熱狂のイベントの模様を写真多めでお伝えする。
kintoneの可能性の扉を開く「kintone hack」の年次コンテスト
kintone hackはビジネスクラウドであるkintoneのAPIを使った機能拡張アイデアをLT(ショートプレゼン)形式で披露するセッション。kintoneユーザーのイベントである「kintone hive」の事例セッションの合間に行なわれており、年次のCybozu Daysではkintoneデベロッパーたちがコンテスト形式でその技とアイデアを争うことになっている。
大音量のBGMと美麗なチアガールとともに6人の選手が壇上に揃うと、ジョイゾーの四宮靖隆さんは「われわれは頂点を目指すライバルですが、同じ夢を追い求める同士でもあります!kintoneの素晴らしさ、可能性が伝わるよう、全力で戦うことを誓います!」と選手宣誓。その後、前回チャンピオンに輝いた浪速の圧力番長、金春利幸さん(アールスリーインスティテュート)が柔道着姿で登場し、チャンピオンベルトが伊佐さんに返還された。
続いてエグジビジョンとして金春さんが本編の半分である3分でセッションを披露。「デベロッパーが己の力でkintoneの可能性の扉を開く」というkintone hackのコンセプトからインスパイヤされ、リモートロックで扉を開くデモを行なった。具体的にはWiFi対応のスマートロック「RemoteLOCK」に対し、kintoneのアプリから暗証番号(PIN)を変更。3分という時間ながら、kintoneによるスマートロック管理の実用性を感じさせたデモだった。
グローバルの壁を越えるカスタマイズ+機械学習(山下竜さん)
本編のトップバッターはジョイゾーの山下竜さん。「良質なインプットとアウトプットを用意することでkintoneの可能性を拡げたい」という山下さんは、70日間の北米勤務での体験を元に、グローバルの壁を越えるkintoneのユーザーインターフェイスを試してみた。
まずは「時差」の壁。山下さんは北米と日本という時差のある環境で仕事できるよう、同一の予定を時差表現したり、タイムゾーンを指定して日時を入力できるようにカスタマイズ。また、「単位」に関しては変換式が変わる通貨はAPIで動的に対応、長さや重さ、温度など変換式が変わらないモノは計算式を埋め込んで変換できるようにした。さらに言語に関しては、英語と日本語の翻訳やテキストファイルの音声ファイル化などにもトライ。「サポート業務であれば、私の知見を米国のメンバーも活かせる」(山下さん)ということで、ものすごく利用価値の高いカスタマイズと感じられた。
しかし、ここまでのプレゼンはまだ前置き。北米でAIブームを体感した山下さんは契約情報アプリで見込み客の属性を入力すると、機械学習で分析し、契約確度を通知するというデモを披露する。クライアントのデータとして年齢、職業、学歴、資産情報などを入力し、「リアルタイム予測」のボタンを押すと、「契約してくれなさそう」という購買予測がポップアップされた。さらにイベントの写真を分析し、参加者の属性を分析するデモまで披露した。
採点は聴衆が事前に配られたkintone hackタオルを頭上に掲げ、それをサイボウズ野鳥の会がカウントするという方法で行なわれる。その間、美麗なチアガールーたちがパワフルな演技を披露。247点という得点で一気にトップに躍り出る(トップバッターなので当たり前)。