容量オーバーに備え、低速設定で容量を温存
ほとんどの格安SIMの特徴としては、アプリで低速設定にしておくことで容量を温存できることがある。高速通信容量の必要がないときは低速にしておき、必要なときだけ「高速」に切り替えれば容量を温存できる。
楽天、mineo、OCN モバイル ONE、IIJmio、イオンモバイルなどはアプリで低速設定が可能。
反対に主要なもので低速で温存ができないところはLINEモバイルやBIGLOBE。ただし、LINEモバイルは主要SNSの利用は容量カウントしないことや、BIGLOBEは「エンタメオプション」という動画配信まで使い放題になるオプションがあり、温存しなくても困らない方法も用意されている。
速度の切り替えアプリの利用の際はユーザーIDとパスワードを用意しておく必要があり、残量チェックもそのアプリから可能だ。
残量を把握しておくことは月末に容量不足にならないためにも重要だ。なお、残容量は現時点の容量しか表示できないイオンモバイルのアプリのようなものから、毎日の使用量がわかるOCN モバイル ONEなど、残容量表示にも差がある。
常に容量をあまらせて繰り越し、突然の消費増大に対応する
一方、温存法以外でおすすめしたいのが、繰り越し容量上限を毎月繰り越して利用し続けること。ほとんどの格安SIMは容量を翌月まで繰り越しでき、繰り越された容量から消費される。
たとえば3GBの契約で、毎月3GB程度を消費するなら、少しずつ3GBを貯めていくか一時的に6GB契約にプラン変更し、毎月3GBをあまらせて繰り越すようにすることだ。
常に前月の3GBを使い、当月の3GBは温存して来月使う。そうすれば、3GBをオーバーするような事態になってもさらに3GBまで高速通信が可能だ。超過してしまったら、また少しずつ貯めるか一度容量をアップさせて温存するかすればよい。
そのためには容量のプラン変更についてもよく理解しておく必要がある。ほとんど月単位で容量変更ができるが、翌月の容量変更の締切日は格安SIMごとに異なる。
月が変わる瞬間まで受け付けるところもあれば、20日や25日、月末1日前で締め切り、以降は翌々月反映というところもあるので注意が必要だ。
容量オーバーしたときに便利な格安SIM
容量オーバーした場合に、ちょっと便利な対応方法がある格安SIMも紹介しておく。
mineoの場合、データギフトとフリータンクという仕組みがある。データギフトはmineoのユーザー同士で簡単に容量を贈りあうことができる。10MB単位で贈りたい容量を決めてコードを発行、相手がコードを登録すると容量が瞬時に移動する。容量シェア友達でも作っておけば便利に運用できそうだ。
フリータンクはmineoユーザー全体であまった容量を貯めておきシェアする仕組みで、毎月21日以降なら誰でも1GBまで容量がもらえる。
ただし、礼儀としてもフリータンクを維持するためにも、容量が余った場合は積極的にタンクに容量を投入しておきたい。
楽天モバイルは9月1日から「スーパーホーダイ」という新料金プランを提供開始した。2年または3年間の最低利用期間があり格安SIMにしては制約が大きいが、容量を使い切ったあとの速度がピーク時(12:00~13:00、18:00~19:00)以外は最大1Mbpsと速いことが特徴。超過後も快適に利用できそうだ。
毎月の容量は2GB、6GB、14GBと3段階あるが、2GBで契約しても実用的。さらにアプリで通信速度を低速側にしておけば必要なときだけ契約容量を使う温存法も可能だ。
問題は契約期間の長さだが、音声通話SIMが1年縛りを実施しているところが多いため、それが2年や3年になったと思えばそれほど縛られている気はしない。
また、2年または3年が経過してしまえばあとはいつ解約しても違約金はない。2年と3年の違いは加入時の端末購入補助の額。端末を購入しなくてもその分楽天ポイントがもらえる点はなかななかフェアな制度だ。
なお、広告では2GBで月額1980円~と大きくうたわれているが、1年目だけ楽天会員に1000円の割引があるため、2年目以降は2980円となる。料金制度をよく理解した上で契約してほしい。
使い切る前に対策を考えておくのがベター
このほかにも、容量が増えてしまった場合は、フリーWi-Fiを活用してなんとかする方法もあるほか、モバイルルーターや別のスマートフォンのテザリングを利用する方法もある。
また、2枚のSIMを同時利用できるDSDS対応機種なら、音声付き回線のデータ容量を使い切ってしまった場合でも、データ専用のSIMを契約してもう1つのスロットに入れ、3G音声とLTEデータ通信を別々のSIMで使うという方法もある。
また、すでに容量を使い切ってしまった場合はしょうがないが、まだ少し容量が残っているというのであれば、すぐにでも低速モードにして、残り少ない容量を有効活用してはいかがだろう。毎月足らないというのであれば、容量プランの変更も検討したい。
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