現在SSDにはSATA接続、PCIe接続、USB接続の大きく3つの種類があるが、その中でも今でも多くのPCで使われているのがSATA接続だ。速度面ではPCIe接続に劣るとはいえコストパフォーマンスに優れ、メインのストレージとして使いやすいことから人気がある。
プレクスター最新のSATA接続SSDとなるのが「S3C」。リード最大550MB/s、ライト最大520MB/sという速度はSATA接続のほぼ限界速度となっており、最速といっていいレベルだ。今回は容量が512GBの「PX-512S3C」の速度を計測。
ストレージ速度ベンチマークソフトとして定番の「CrystalDiskMark」を使った実際の速度もこのスペック値に近く、数値上のごまかしではなく、しっかりと実力が伴われているのがわかる。コストパフォーマンスで人気の高い他社モデルと比較しても上回っており、性能が気になる人でも満足できる速度といえる。
他社製の同容量SSDよりも高速!
速度といえば、従来のSSDでは低容量モデルで速度が激減するというものもあったが、S3Cにラインアップされている128GB、256GB、512GBの各モデルではシーケンシャルリードは550MB/sとすべて同じ。ライト性能には差があるものの、それでも128GBモデルで500MB/sと高速で、512GBモデルの520MB/sと比べても見劣りしない性能だ。さすがに、ランダム性能では差があるが、128GBモデルでも遅いと感じることはまずないだろう。
多くのSSDはオーバープロピジョニング(領域の一部を確保して最適化する機能)で高速化などを実現しているため、本来なら256GBあるのに実際に使えるのは240GB……といったように目減りしているが、S3Cシリーズは独自技術の「PlexNitro」を使うことで、容量を減らすことなく高速化を実現。全容量が使えるというメリットがある。
プレクスター独自のツールも魅力的なものが用意されている。とくに有用なのが「PlexTurbo」で、PCのメモリーをSSDのキャッシュとして使い、速度を大幅にアップできる。単純に速くなるというだけでなく、SSDの書き換え回数を抑えることができるため、SSDの寿命も延びるというメリットがある。
このPlexTurboを使うと、実際どのくらい速度が速くなるのだろうか。先ほどCrystalDiskMarkを試したPCへPlexTurboをインストールし、同じ条件で速度を測ってみたところ、驚くことにシーケンシャルアクセスで5倍以上、ランダムアクセスでも2倍近く高速化されていた。
メモリーを大量に搭載したPC以外では使いにくいこと、突然の電源断時にファイルが壊れてしまう可能性があるといった制限はあるものの、ここまで性能が変わるのであれば使わない手はないだろう。
これ以外にも、SSDの情報やファームウェアのアップデートなどができる「PlexTool」、ファイルを安全に保存する「PlexVauit」、ファイルを自動で圧縮保存し、疑似的にSSDの容量を拡張する「PlexCompressor」など、多彩なユーティリティーが用意されている。