2代にわたって購入したLOOXという名機
筆者もLOOXを購入した一人だ。確か「FMV-BIBLO LOOX S8/70」という機種だったと思うが、実際に使ってみると、CPU(Transmeta Crusoe)がものすごく遅く、パフォーマンスに大きな不満を感じた記憶がある。
デジカメ画像を読み込んだり、編集したりなんて行為は無謀だったし、ウェブブラウズについても快適とは言い難かった。
ただ、マシンパフォーマンスはよくなかったが、マシンの造りについては大いにしっくりと来るものがあった。Librettoよりも大きく、打ちやすいキーボードを採用していたので、外出先でのテキスト入力など用途では使いやすく、超小型ノートPCというジャンルでは初めて実用に耐えた1台だった。
このため意外と(!?)長く使い続けることができ、モバイル機として3年も活用した。それだけでなく、その後に買い替えた機種も「LOOX P」というLOOXファミリーだった。
2006年に登場したLOOX PはPHS通信機能こそ省かれたものの、タッチディスプレーを採用したモデル。2軸ヒンジを採用し、液晶を回転させることでタブレットとしても使用できた。
残念ながらタッチパネルが感圧式でかなり使いにくかったため、タブレットとしてはほぼ使わなかったが、現在の2in1タブレットPCの先駆けといってもいい機種だ。
新会社になっても面白いPCを造ってほしい
その後、さらなる小型化を追求した「LOOX U」や、国産ネットブックとしてコストパフォーマンスを追求した「LOOX M」などをリリースしたが、いまいち実用性やマシンとしての魅力に欠け、筆者がLOOXを購入することはなかった。
ただし、今でもLOOXに対する期待感はある。富士通のPC部門が新会社となることで、新たな刺激が加わってちょっと飛び抜けた超小型ノートPCが登場する――そんなことがあってもいいのではないだろうか。