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Spotify/AWAなどストリーミングにも強い「ND8006」と「PM8006」

これさえあれば? CDからハイレゾまで全対応の新プレーヤーほか──マランツ

2017年10月22日 09時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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自然な空間再現と際立つ個々の音

 サウンドマネージャーの尾形好宣氏によると、今回の組み合わせではS/N感の向上に加え、音場感や見通しなどの進化が注力ポイントだという。ND8006に搭載したのが、必要でない回路の機能をオフする“高音質動作”モードもその取り組みの一つだ。PM8006で電子ボリュームの採用も左右の再生音のばらつきを減らし、より的確な空間表現を導き出すためのものだ。

 B&Wの800 D3シリーズと組み合わせた試聴もできた。

 最初に現行機種(SACDプレーヤー「SA8005」、ネットワークプレーヤー「NA8005」、アンプの「PM8005」)でCD(合唱曲:モンテヴェルディのVespro)、USB(女性ジャズボーカル:ルート66)、ネットワーク(オーケストラ:ラフマニノフのSymphonic Dance)再生をそれぞれ体験。そのあとにソース機をND8006に変更した差、さらにアンプをPM8006にした場合の差を聴いた。

 現行機種の組み合わせでも十分満足感の高いサウンドではあったのだが、ND8006に代えるとトーンバランスがよりまとまって落ち着いた感じに聴こえる。一方でVesproでは伴奏のサクバットなどがブーンと前に出てくるなど、個々の楽器の描き分けが向上する感じだ。ルート66では空間の広がりと空気感が増す印象。高域がふっと広がり、拍手の音なども明瞭になる。この空間表現の質の変化は、Symphonic Danceでも顕著だ。

 アンプを変えると、これにスケール感が加わる。現行機種の組み合わせでは多少おとなしく感じたSymphonic Danceは堂々とダイナミックな雰囲気を出す。個々の楽器の音がより明確に分離するようになり、オーケストレーションの魅力を存分に感じられた。迫力感ではルート66も同じで、見通しの良さに加えて、特に金管が前に出てくる感じがあった。基本的にはプリアンプの変更だけとのことだが、音の輪郭感や分離感が上がったためか、アンプ全体のパフォーマンス(駆動力)が上がっているように思えるから不思議だ。Vesproでは主役である合唱を中心に自然な一体感を得た。こういった聴こえ方の違いから、異なるテンポでの演奏にも思えるから不思議だ。

 ND8006とPM8006の組み合わせは、情報量や空間表現といった基礎体力の向上を感じる一方で、様々になっていた音が一つの方向を目指して一体化し、音楽としてのまとまり感や自然さが増しているように思わせる点が秀逸。機能面での魅力はもちろんだが、再生音でも確実な進化を感じた。

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