東芝映像ソリューションは9月25日、スマートスピーカーにセキュリティー機能などの多様な機能を盛り込んだIoTデバイス「TH-GW10」を北米市場で発売すると発表した。12月頃の予定で価格は未定(200~300ドル程度とのこと)。日本での発売などは未定だ。
TH-GW10はスピーカーにカメラ、マイク、多様な通信モジュールを搭載し、音声認識や音声合成発話、対話機能を持つデバイスで、スマートスピーカーにあらゆるIoT機能を盛り込んだ同社らしい製品。
ハードウェア自体はオンキヨーとの共同開発ということで、オンキヨー製フルレンジスピーカーを搭載する。
音声認識や発話、対話機能については「Amazon Alexa」プラットフォームを使用しており、音声により楽曲を検索したり、再生したりできる。北米市場ではAmazon Alexaを採用する人工知能スピーカー「Echo」が圧倒的なシェアを得ていることから、これを採用したという。
カメラはセキュリティー用途を想定し、モーションセンサーを搭載。動体検知が可能なほか、赤外線により暗所での撮影も可能だ。
通信インターフェースはWi-Fi、Bluetooth、Zigbee、Z-Waveといったものに対応しており、専用のスマホアプリと組み合わせることでさまざまなデバイスの遠隔操作ができる。
たとえば、照明のオン/オフや電子ドア(錠)の開閉といったものから、水漏れセンサーや火災報知器からの警告の受信といったことまでできる。
もちろんアプリからだけでなく、TH-GW10に話しかけることでさまざまな機器の操作が可能だ。
本製品は、音声認識をいかに理解するかに重きを置いて開発したとのこと。動作の流れとしては、トリガーワードを認識し、自然言語をクラウドで解釈、ウェブのサービスに渡す形になるが、最初のトリガーワード認識に際に生活ノイズが入ることが課題だった。
そこで、入力された音声に対して整音処理を施し、機械学習型AIで認識。精度を上げているという。
日本での発売については未定。2018年中に何か形にしたいとのことだが、そもそもこの製品をこのままの形で日本で展開する予定はなさそうだ。
日本ではスマートスピーカーの市場がまだ立ち上がっていないため、北米のようにAmazon Alexaが普及するかわからない。このため、プラットフォーム自体を変えて提供する可能性もあるとのこと。
さらに、東芝は「RECAIUS」(リカイアス)と呼ばれるコミュニケーションAIを開発しており、このような同社の資産を活用して日本向け製品を開発していくという。また、同社の大画面テレビ「レグザ」との連携なども模索していきたいとしている。