「攻め」の働き方改革~やらされるなんてまっぴら、自分のやりたいことをやる 第2回
自分が動きやすい方法を考えることが、出発点
働き方の自由を手に入れるために、時間の自由を手に入れよう
2017年09月26日 09時00分更新
時には上司に対して、自分からアプローチ
達人の段取りテクニックをもう少し紹介しましょう。まず営業職など客先での打ち合わせが多い人は、できるだけ効率的に動けるようアポイントメントの順番や時間を調整することです。もちろん相手がいることなので思い通りになることばかりではありませんが、意識するとしないでは大違いです。また、アポイントメントの間のすきま時間が15分や20分という小刻みではなく30分から1時間といったブロックで取れるようスケジューリングすることも有効です。
次の訪問先の近くまで移動して、約束の時間までの間にモバイルワークでひと仕事することができます。訪問が午前から午後にまたがる場合は、先に次の訪問先まで移動してランチタイムとすると、まとまった時間が取りやすくなります。私もよく使うのは、ノンアポタイム。1日のある時間帯や1週間のある時間帯を、会議や打ち合わせが入らないようにあらかじめブロックし、そこで急ぎの業務や溜まっていた仕事を済ましてしまうのです。朝、9時から10時の間は予定を入れない、毎週水曜日の午前中はアポを入れない、といった感じです。
このような話しをすると、「上司から一方的に仕事を入れられる若手にはムリ」、「会議の出席依頼を断るなんてことはできるはずがない」といった声が聞こえてきそうです。
もちろん、誰もが自分のペースでスケジュールをたてられる訳ではありません。調整力や交渉力も必要となります。確かに、若手にはちょっときついかも知れません。
しかし、できるところから始めるのと、自分にはムリと諦めてしまうのでは、先々大きく違ってきます。若いうちから、自分のスケジュールはできるだけ自分でコントロールするという意識を持っていると、目利き力や段取り力がどんどん磨かれていきます。
例えば、上司から指示を受けるときに、言われたことだけをベースに仕事に取り掛かるのと、段取りがイメージできるように仕事の内容をしっかり確認して始めるのでは大きく効率が変わってきます。
ひょっとすると、仕事を依頼する上司もその仕事の完成像や進め方のイメージが曖昧で、出てきた結果を見て考えようとするかも知れません。
そのためにも「いつまでに必要ですか」「途中で方向性を確認してもらえますか」「たたき台をつくる感じですか、しっかりした完成版が必要ですか」といった確認をしましょう。そうすることで、依頼者である上司のイメージも明確になり、段取りよく仕事ができる前提が作れるのです。
こうすれば、自分でスケジュールをコントロールできる立場にいる人はもちろん、若手でもできるところからスケジュールの達人になるための取りくみが可能です。
ぜひ、目利き力と段取り力を高めてスケジュールを自分のものとし、余裕の時間を生み出してください。生みだした時間を何に使うか。考えただけでワクワクしませんか。
平山 信彦
株式会社内田洋行 執行役員 知的生産性研究所所長。
千葉大学工学部工業意匠学科卒。内田洋行スペースデザイン室、INTERNI(米・ロスアンジェルス)、内田洋行環境デザイン研究所、同マーケティング本部等を経て現職。千葉大学大学院非常勤講師(2008年~2010年/デザインインタラクティブ論)、日本テレワーク学会理事(2010~)等、歴任。働き方変革・組織風土変革・デザインマネジメント・知識創造等に関わるコンサルティング、講演、執筆等、多数。
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