ワイヤレスの高音質を知らしめた
オーバヘッド型の2代目モデル「WH-1000XM2」
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WH-1000XM2の外観。基本的な見た目は従来機とほぼ同じ。シンプルなラインで構成されたモダンなデザインだ
最後は、オーバヘッド型の「WH-1000XM2」だ。こちらは、MDR-1000Xの直系の後継となるモデルで、デザインなども踏襲している。
ノイズキャンセル機能は外側と内側にマイクを備えたハイブリッド型の「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を採用。さらに、NCボタンを長押しすることでテスト音を再生し、個人に合わせてノイズキャンセル特性を最適化する「NCオプティマイザー」も備える。音質はもちろんだが、機能的にも最上位となるモデルだ。
使用するドライバーユニットは、40kHzまでの高域再生が可能な40mmHDドライバーユニットを専用に開発。LCP振動板にアルミニウムコートを施したもので、高音質モデルでも採用されている振動板だ。軽量CCAWボイスコイルを使用して高域の再生レスポンスを高めている。
デジタルアンプはS-Maste HXで、ハイレゾ並の音質へアップコンバートする「DSEE HX」も備える。LDAC対応と合わせて、ハイレゾに近い音質でワイヤレス再生が可能だ。バッテリーの寿命も最大30時間と十分以上の長時間再生ができる。
NFC接続のためのマークは左側のハウジングに配置し、右側のハウジング部分は、上下で音量、左右で曲送り/戻しが操作できるタッチセンサーとなっているなど、MDR-1000Xの便利な部分はすべて踏襲。
厚めのイヤーパッドは、低反発ウレタンフォームを採用した立体縫製を採用しており付け心地もバツグン。もちろん、折り畳んでコンパクトに収納することもできる。
パワフルで聴き応えのあるサウンド
ワイヤレスとは思えない質の高い音
装着すると、イヤーパッドが耳全体を包み込み、装着感は良好。側圧も適度でしっかりとしたホールド感が得られる。屋外では少々大げさに感じるオーバーヘッド型だが、気軽に持ち運んで使いたくなる快適さだ。
音はパワフルで、低音のエネルギー感も素晴らしいが、全体に厚みのある音で聴き応え十分。
クラシックでは、オーケストラのスケール感がしっかりと味わえるし、ステージの音の広がりも豊かに再現される。
パワフルな低音はやや量感が多めにも感じるが、低音楽器の奏でる通奏低音があいまいになるほどではなく、リズムがもたつくようなことはない。個々の楽器の粒立ちは十分だが、高解像というような細みの再現ではなく、適度な厚みを持った自然な再現となる。響きが豊かに再現されることもあり、コンサートホールで聴くようなナチュラルな再現だ。
女性ボーカルも、しっとりと柔らかい感触で、ニュアンスを豊かに伝えてくる。落ち着いた曲もなかなか気持ち良く聴かせてくれる。
音質の良さは見事なもので、Bluetoothで再生しているということがまったく気にならない。しかもパワフルで聴いて楽しめる音になっており、実にバランスよく仕上がっている。
有線接続ではハイレゾ対応の音質を楽しめるし、ワイヤレス用と言わず音質追求派にもぜひおすすめしたいモデルだ。
次回は新ウォークマンの新機能「USB DAC」機能をじっくりと解説
次回は、新ウォークマンが採用した新機能の「USB DAC」機能を紹介する。PCの再生音をさらにグレードアップできるので、PCメインで音楽再生を楽しんでいる人なら注目だ。
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