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国内では「世界貿易」「地方創生」「公共サービス」がターゲット

すでに400のブロックチェーン事例、日本IBMが「Hyperledger Fabric 1.0」のPaaSを国内提供

2017年09月11日 12時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 日本IBMは9月7日、Hyperledger Fabric 1.0によるブロックチェーンをフルマネージドのPaaSで提供する「IBM Blockchain Platform」を、10月から国内提供すると発表した。特定の企業・組織のみが参加する「コンソーシアム型ブロックチェーン」のネットワークを構築するもの。料金は、検証用途にマルチテナント環境で利用する「エントリー・プラン」が1時間52.5円。本番環境としてシングルテナント環境で利用する「エンタープライズ・プラン」が月額30万円から。

 IBMは、2016年2月からIBM Bluemixクラウド上から企業向けのブロックチェーンサービスを提供しており、2017年2月には金融業界などに向けた高セキュアなブロックチェーンサービス「IBM Blockchain on Bluemix High Security Business Network(HSBN)」の国内提供を発表している。いずれも、Linux Foundationのプロジェクトとして開発されているブロックチェーンフレームワーク「Hyperledger Fabric」を採用し、IBM Bluemixのサービスとして提供してきた。

 今回発表したIBM Blockchain Platformは、Hyperledger Fabricのバージョン1.0を採用し、IBM Bluemixの5カ国のデータセンターに設置されたLinux専用エンタープライズサーバー「IBM LinuxONE」を基盤としたPaaSで、コンソーシアム型ブロックチェーンのためのプラットフォームを提供する。これまでのIBMブロックチェーンサービスに実装されていた分散台帳、スマートコントラクト、合意形成、暗号技術の機能に、ブロックチェーンアプリケーション開発環境「Hyperledger Composer」、コンソーシアム型ブロックチェーンの形成と運営を支援するツール群が追加されている。

「IBM Blockchain Platformud」

 コンソーシアム型ブロックチェーンのネットワーク構築後にコンソーシアム参加企業が増えた場合でも、プラットフォーム側でネットワークの再設定などを自動で行う。また、コンソーシアム参加企業の中で情報公開範囲を制御する仕組みは、Hyperledger Fabric 1.0の機能として実装しているという。

 さらに、LinuxONEに搭載されたテクノロジー「IBM Secure Service Container」を使ってLinuxONE内に保護領域「セキュアコンテナ」を構築。セキュアコンテナ内にブロックチェーンのミドルウェア、機密性の高い取引データなどを格納することで、セキュリティ性を高めている。

 IBM Blockchain Platformには、実証実験用の「エントリー・プラン」と、本番環境用の「エンタープライズ・プラン」、「エンタープライズ・プラス・プラン」の3種類の料金プランがある。エンタープライズ・プランは、前述の「セキュアコンテナ」を共有型で利用、エンタープライズ・プラス・プランはセキュアコンテナを専有型で利用する。

「IBM Blockchain Platformud」の料金プラン3種

国内では「世界貿易」「地方創生」「公共サービス」がターゲット

 IBM Blockchain Platformの国内展開について、日本IBM 執行役員 インダストリー・ソリューション事業開発担当 鶴田規久氏は、「産業横断のクロス・インダストリーの取引基盤として提供していく」と説明した。ターゲットとする業界は、「世界貿易」、「地方創生」、「公共サービス」の3分野だ。

 「世界貿易は、輸出企業、輸入企業、規制当局、湾岸局、税務局、銀行など関係するプレーヤーが多い。この共通基盤としてブロックチェーンを適用することで、貿易のコスト、リードタイムを大幅に削減できる」(鶴田氏)。2つ目、地方創生の分野では、地方銀行の少額取引基盤、地域通貨の交換基盤としての活用のプロジェクトが進行している。3つ目の公共サービスについては、「例えば、法人登記、医療情報の管理など、省庁をまたがった業務処理が発生する分野にブロックチェーンが持ち込めると考えている」(鶴田氏)。

公共サービスにおけるブロックチェーンの活用

地方創生でのブロックチェーンの活用

 鶴田氏によれば、IBMブロックチェーンはすでに400のプロジェクトが進行しており、そのうち10%が日本国内のプロジェクトだという。「各プロジェクトは実装段階から本番稼働環境に移行してきた。分野としては金融が多いが、貿易、サプライチェーン、流通、コミュニケーション、教育など、利用産業が非金融にも拡大してきている」(鶴田氏)。例えば、ソニー・グローバルエデュケーションは2016年2月に、IBMブロックチェーンを利用して“学習記録をオープン化する”技術を開発している。

すでに400のIBMブロックチェーンプロジェクトが進行している

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