このページの本文へ

「マイソースファクトリー」からパーソナルデータビジネスへ

おめでとうオルターブース!OSS on Azureアワード受賞の喜びと今後の野望

2017年09月07日 08時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本マイクロソフトは8月31日、「Microsoft Japan Partner of the Year 2017」の受賞企業を発表した。毎年、マイクロソフト パートナー ネットワーク(MPN)に参加する企業の中から、この1年特に優れた実績を上げたパートナーを表彰する制度だが、今年新設された「Open Source on Azure」部門のアワードを受賞したのは、福岡発のスタートアップ企業、オルターブースだ。

「Microsoft Japan Partner of the Year 2017」

 オルターブースは、.NETやMicrosoft Azureを中心としたシステム開発を手がける2015年創業のCI(クラウドインテグレーション)企業。2017年3月に自社サービスとして、お客が自分好みの味を選んでオリジナル調味料をオーダーできる「マイソースファクトリー」を開始した。マイソースファクトリーのサービス基盤は、AzureとAWSなどマルチクラウドの機能を組み合わせて構築されており、この基盤上で、.NET Coreによる開発、Dockerを使ったマイクロサービス実装、OSSの構成管理ツールを駆使したDevOpsなど、先進的なテクノロジーを実践的に活用している。

 オルターブース 代表取締役CEOの小島淳氏、業務執行役員COOの藤崎優氏、業務執行役員 CTAの松村優大氏に、アワード受賞の喜びの声を聞いた。

オルターブース 代表取締役CEOの小島淳氏(右)、業務執行役員COOの藤崎優氏(左)、業務執行役員 CTAの松村優大氏(中央)

--Open Source on Azureアワードの受賞おめでとうございます。

小島氏:ありがとうございます。弊社は、基本はC#、.NETを扱うクラウドインテグレーターですが、クラウド環境でのOSSによる開発も得意とするところです。

ただし、特にOSSにこだわってきたわけではなく、DevOpsなどを実装する際に一番使いやすいものを選択したらOSSだったというだけです。また、お客さんのシステムを開発する際、限られた予算内でなるべくよいものを作ろうとしたら自ずとOSSが第一候補になります。このような弊社の取り組みが、ちょうどマイクロソフトのOSS戦略とベクトルがそろい、今回アワードがいただけたのだと思います。

アワード受賞は本当に嬉しい出来事でした。クラウド開発の実績は他社にまけないと自負しているものの、マイクロソフトのパートナーアワードは例年ビジネス規模の大きい大手企業が重視されてきました。弊社のような小さなスタートアップが評価されたという点で、マイクロソフトの変化も感じます。クラウドの時代、小さな企業でも愚直にテクノロジーとお客さんに向き合っていけば活躍できる場があるのだということを、ほかのスタートアップの皆さん、これからCIで起業する方の自信にしていただきたいです。

松村氏:.NET Coreによる開発が評価されたのも大変うれしいです。.NET開発、OSSでの開発を行ってきた我々が、オープンソースとして新しく登場した.NET Coreを使うのは自然の流れでした。自社サービスのマイソースファクトリーでは、エンジニアの興味から新しいOSSを取り入れて検証していますが、その方向が正しく進んでいるのだと、今回のアワード受賞で自信が持てました。これからも、.NET Core開発を突き進めて行きます!

--自社サービスとしてフードテック分野に参入しました。なぜ“食”だったでしょうか。

小島氏:CI事業に加えて、自社サービスをやろうというのが創業時からの構想でした。私のバックグラウンドから(編集部注:小島氏は柔道整復師の資格を持つ)、まず医療系サービスの立ち上げを検討していたのですが、医療分野は大手を中心にすでに多くのテクノロジー企業が参入しており、独自ビジネスの開拓も難しい。

オリジナリティを出しやすく、話題性があって目立つサービス、ということで“食”になりました。食×ITでは、飲食店経営システムやレシピサイト運営などを行っているスタートアップがありますが、食そのものを扱っているテクノロジー企業は少ないですよね。ちょうど、身近にフードディレクターをしている知人がいたこともあり、その知人に事業に加わってもらい「マイソースファクトリー」が実現できました。

--「マイソースファクトリー」は本業のCI事業にどのような価値をもたらしますか。

藤崎氏:マイソースファクトリーは、お客さんに好みの味を選択してもらってオリジナルの調味料を1本から注文できるECサイトです。ECサイトの構築だけでなく、運営、マーケティング、アジャイル開発、DevOpsを自社で行っていることで、CIをお客さんに提案するときの説得力が格段に増しました。

松村氏:自社サービス基盤上で、社内エンジニアはOSSを含めて様々な技術検証をしています。思う存分、本番環境で新しいテクノロジーを試すことができるのでモチベーションアップにつながります。

小島氏:マイソースファクトリーのビジネス自体では、利益は出ません。食品を大量生産せずに敢えて1本からオリジナル商品を作って販売するモデルですから、そもそも利益を狙っていないんです。弊社がビジネスにしようとしているのは、食品を売ることではなく、パーソナルデータの活用です。

マイソースファクトリーで注文したお客さんの味覚の傾向から、「健康的な生活をしているかどうか」を把握し、「より健康な生活ができるような支援を行う」といったサービスにつなげていきます。

松村氏:データビジネスへの参入に備えて、社内エンジニアはAzure HDInsightなどクラウドベースのデータ解析や、Pythonによるデータ分析の検証を始めています。

藤崎氏:データビジネスにおいては、データをどう見せるかのUIも重要です。弊社には、インフラエンジニア、デベロッパーに加えてWebデザイナーもいるので、こういった強みが出せていけたらいいですね。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  3. 3位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  4. 4位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  5. 5位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  6. 6位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  7. 7位

    クラウド

    NTTドコビジが「GPUaaS」提供へ 1分単位で利用でき、ハイブリッド構成も可能

  8. 8位

    sponsored

    乱立する文書管理をBoxに統合へ、オークネットは基盤整備で「AIをビジネスの武器にする」

  9. 9位

    sponsored

    ルールは作ったが… 現場の「勝手にAI利用」が止まらない! どうやったら防げた?

  10. 10位

    IoT

    フィジカルAI時代を見据え、NTTドコビジがNaaS基盤を強化 数万台のIoTデバイスをセキュアに管理

集計期間:
2026年09月23日~2026年09月29日
  • 角川アスキー総合研究所