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Ryzen Threaripper 1950Xの真のライバルはCore i9-7920X?

18コアのCore i9のスペックが明らかになったので日本価格を予想してみた

2017年08月09日 06時00分更新

文● ジサトライッペイ

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 どもどもジサトライッペイです。IntelがついにCore Xシリーズ全モデルのスペックと米国における発売日を公開しました! 曰く、12コア/24スレッドのの「Core i9-7920X」(1199ドル)が8月28日(なんと今月!)で、14コア/28スレッドの「Core i9-7940X」(1399ドル)、16コア/32スレッドの「Core i9-7960X」(1699ドル)、18コア/36スレッドの「Core i9-7980XE」(1999ドル)が9月25日とのこと。詳しいスペックは下記の表をご覧ください。

 

ようやく出そろったCore Xシリーズ全モデルのスペック。COMPUTEX 2017では10コア/20スレッドの「Core i9-7900X」以下のモデルしか明かされませんでした。

Core i9-7900Xと7980XEが光って見えるのは僕だけですか?

 やはりというかなんというか、最上位のCore i9-7980XEの定格クロックは2.6GHzとかなりおとなしめの印象ですね。熱管理の問題でコア数が多くなればなるほど定格クロックは下がるのは当然ですが、注目はIntel Turbo Boost MAX Technology 3.0(以下、TBM3.0)時の動作クロックです。10コアまでのモデルは4.5GHzですが、12コア以上のモデルは4.4GHzと100MHzほど落ちております。つまり、PCゲームなど1~2コア動作時の性能で言うと、8コアや10コアモデルのほうが優秀になるかもしれないということです。

 こうして見てみると前世代から8万円ぐらい価格が下がり、PCI Express 3.0のレーン数も44レーンと多く、最大4.5GHzまで伸びる「Core i9-7900X」ってすごく魅力的な選択肢に思えますね。ただし、18コア/36スレッドと「お前はXeonか!?」ってほど、コアを積んだ新しい最上位「Core i9-7980XE」も最大で4.4GHzまで伸びると考えると、これはこれでアリかなという気もします。動画エンコードとかCGレンダリングは18コアをぶん回して最速作業、PCゲームなどの動作スレッドの少ない時でも4GHz超のハイクロックでまわってくれるかもしれません。

Ryzen Threadripperの日本価格を考慮すると気になる7920X

 いやー、迷っちゃいますね。今年のハイエンドデスクトップ向けCPUは本当に豊作ですよ。AMDもRyzen Threadripperをアナウンスしたばかりですし、いっちょ価格やスペックをまとめてみましたので次の表をご覧ください。

Core XシリーズのSkylake-XベースCPUとRyzen Threadripperの比較表。AMDの上席副社長 兼 コンピューティング/グラフィックス事業本部 事業本部長 ジム・アンダーソン氏いわく、1950X、1920X、1900Xという3製品のSKU構成は、「CPUのコア/スレッド数とクロック周波数以外、すべてのSKUが同じスペック」とのことで、まだAMDのWEBサイト上に情報はありませんが1900XのL3キャッシュは32MBにしました。XFRの最大クロックはベンチマーク記事を待ちましょう。

 注目していただきたいのは、Ryzen Threadripperの“価格”です。米国における1000個あたりの価格と日本販売時における価格にだいぶ差があります。端的に言えば、為替からかなり離れております。日本価格を米国価格で割って、1ドル換算で計算するとCore Xの発売済みモデルと比べてだいぶ高価な印象です。Ryzen Threadripper  1900Xに関してはまだ日本価格が発表されてませんが、同じぐらいのレートで販売するとなると、約8万6248円(1ドル=約157.1円で計算)になります。

 一方で、Core Xシリーズの発売済みモデルの1ドル換算は約125.1~128.5円程度とRyzen Threadripperに比べるとだいぶ頑張っている感じです。1ドル=128.5円として上位モデルの日本価格を予想すると、Core i9-7920Xが約15万4072円、Core i9-7940Xが約17万9772円、Core i7-7960Xが約21万8322円前後、Core i9-7980XEが約25万6872円になります。

 となると、ちょっとおもしろいのが12コアの「Core i9-7920X」が16コアのRyzen Threadripper 1950Xの実質的な価格対抗モデルとなり、AMDが主張していた「999ドル対決」のCore i9-7900X対Ryzen Threadripper 1950Xの図式が崩れてしまうところ。つまり、Ryzen Threadripper 1950Xは日本おいては12コアのCore i9-7920Xに性能で勝たなくてはなりません。

 AMDのデータでは、Ryzen Threadripper 1950Xの性能はCINEBENCHにおいて、Core i9-7900Xの最大38%上だとアピールしておりました。こちらはもちろんマルチスレッドのスコアーでしょう。ちなみに、僕らが計測したCore i9-7900XのCINEBENCH R15のスコアーは2204cb。そして、6コアのCore i7-7800Xは1313cbでした。

 6コアから10コアにスケールすることで約67%性能がアップしてます。4コア増で約67%なら、2コア増で約33%性能が増える計算です。となると、12コアのCore i9-7920Xは2204cbの33%増しのはず。ほら、Ryzen Threadripper 1950Xの「最大38%」にだいぶ近いづいてまいりました。果たしてこの絶妙な性能差と価格差がどうなるのか……、いやー盛り上がってまいりましたね! 今年の自作PCは本当にCPUがおもしろい!

AMDの資料ではRyzen Threadripper 1950Xの性能はCINEBENCHで、Core i9-7900Xの最大38%上。

 さて、そんなCore i9-7920Xですがこちらは8月28日発売予定。日本での発売時期はまだ未定ですが、これまでの流れからすると同日深夜か翌日に販売されてきたので期待しましょう。もちろん、1ドル=約128.5円以下のお値段で。

ちなみに、Core i9-7980XEのロゴはこちら。他のCore Xシリーズはシルバーなんですが、最上位モデルだけにゴールドです。今年からPlatinum/Gold/Silver/Bronzeという分け方になったXeonにデザインコンセプトを寄せている気がします。

<2017年8月16日追記>

 読者様からのお問い合わせで、「米国価格は税別表記なのに日本価格は税込み」というツッコミが入ったので、改めて税別表記換算も入れた表組みを作成しましたので追記します。今回は初出価格も1円単位まで入れてみましたのでご参考までにどうぞ~。

日本販売の初出価格で税込と税別を入れてみました。

■関連サイト
Intel Newsroom(英語)

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