産業用ドローンを発売するスカイロボットは7月5日、世界初の赤外線サーモグラフィーカメラ搭載スカウター「Boson/スカイスカウターIR」(以下スカイスカウターIR)を発表した。8月上旬発売予定で、価格は税抜39万5000円。
頭部装着型の赤外線カメラ搭載スカウター
スカイスカウターIRは本体285gと軽量で、頭部に装着することで視線の先にある対象物を赤外線で解析し、左目の前に装着された解像度1280×780ドットの小型ディスプレーに表示するもの。最大の特徴はウェアラブル化により、ハンズフリーで作業できる点だ。
スカイロボット代表取締役の貝應 大介氏によると、使用用途としては高所作業や夜間の警備、災害時の人命救助、動物などの生態調査などに有用性が見込まれるとのこと。
超小型赤外線カメラがウェラブル化を実現
スカイスカウターIRに搭載される赤外線カメラには、大手サーモグラフィーメーカーFLIR Systemsが開発した超小型赤外線カメラ「Boson」を使用。
Bosonの重さは7.5gで1円玉サイズにもかかわらず、CPUを内蔵しており毎秒60フレームの赤外線画像撮影が可能。-40度から+80度の幅広い温度環境下でも使用できるとのこと。スカイロボット社はBosonのアジア総販売代理店も務める。
操作には“クリッカー”と呼ばれる指に装着するコントローラーを使用する。このクリッカーにより使用者や環境に合わせて8種類の表示モードの切り替えや、動画や静止画の録画撮影のオン/オフ操作などが可能。
スカイスカウターIRは赤外線カメラ付きヘッドマウントディスプレー「スカウター SR-200」、指先に付けて操作するクリッカー「400-MA077」、それらを統括するスティックPC「DG-STK3」で構成される。
スカウター SR-200は頭部に装着する単眼ディスプレーと赤外線カメラ、それらを駆動するバッテリーを内蔵したコントローラーから構成され、約4時間の駆動が可能とのこと。
DG-STK3はCPUにインテルのAtom Z3735F (クアッドコア/定格1.33GHz/キャッシュ2MB)を搭載し、OSにはWindows 10 Home(32bit版)を採用。接続端子はUSBやHDMIなど。これらに加えて専用の再生・赤外線解析ソフトも付属する。
記者発表会で貝應氏は「セキュリティー関連企業だけでなく、警察や消防署などにも提案していきたい。また、高所作業でのインフラ整備用なども含めて、初年度国内でのスカイスカウターIR販売予定台数は1000台ほどを考えている。また、Bosonを搭載したより小型の作業用ドローンも開発している」と、市場へ訴求や新製品の開発に意欲を見せていた。