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教育機関でシェアが高いネットワークブート型シンクライアント「Phantosys 10」に新版

2017年07月06日 13時00分更新

文● ASCII

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 ワッセイ・ソフトウェア・テクノロジーは、シンクライアントOSの新版「Phantosys(ファンタシー)10」を7月6日に発売した。起動の高速化に加え、大学のキャンパスなど複数の場所に分かれたサーバー間での同期を可能にするなど、機能強化した。

 Phantosysは、ネットワークブート方式のシンクライアントシステムを構築できるもの。OSやアプリケーションなどのイメージをサーバー側で集中管理し、これをクライアント機器(パソコンなど)に、ネットワーク経由でロードし起動する仕組みだ。

 クライアント機器は一般的なパソコンを使える。さらにそのストレージをローカルキャッシュとして利用することで、パソコンルーム以外での利用や起動の高速化なども可能となる。このためVDI方式のシンクライアントと比較して、サーバー側の負荷が低い点も特徴だ。

 前バージョンの「Phantosys5LV」は、教育市場(小中高大のパソコン演習室)などでは高いシェアを誇り、納入実績は700校を超えるとのこと。セキュリティ確保に加えて、管理コストを低減できる点が支持されている理由だという。

 新機能としては、イメージファイルの差分の持ち方を変え、離れた場所にあるキャンパスなど異なる拠点に置かれたサーバーに保存したデータをフルタイムで同期できるようにした。各キャンパスに管理者がいなくても、メインとなるキャンパスでイメージ更新作業ができる。さらに、他のキャンパスのクライアントPCが稼働中であっても、同期処理を開始できるようになった。従来もイメージファイルの同期は可能だったが、その処理はクライアントが稼働していない夜間などに限定されていた。

 「Phantosys10」は、マルチレイヤードノード方式により、一つのディスクイメージの中に異なるOSや環境を複数持つことが可能。管理に必要な画面イメージも瞬時に作成でき、各イメージを自由に選択して起動できるなど、運用スタイルの柔軟性が高い。また、独自開発の統合管理ツール「Phantosys コンダクター10」をオプションで用意。GUIベースで直感的に管理できるという。

 推奨動作環境はサーバー側が、Xeon(2.0GHz)、8GBメモリー以上、SAS接続のHDD、Windows Server 2012R2/2016など。対応仮想環境はVMware vSphere/Hyper-V。クライアント側がCeleron(2.0GHz)、4GBメモリー、SSD(ローカルキャッシュ用)、PXE2.0以上のBIOS、WakeOn LAN レガシー/UEFI、Windows 7~10、Linux(32/64bit)。1000BASE-T以上の有線LANもしくはIEEE 802.11ac推奨の無線LAN(フルキャッシュ運用時)など。

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