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無料SIMとアプリで日本観光をサポート!訪日外国人向けサービス「WAmazing」

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 2020年東京オリンピックに向けてますますの市場規模拡大が期待されるインバウンドビジネス。その中の1つWAmazing(ワメイジング)株式会社は、訪日外国人旅行者をターゲットとして無料SIMを配布し、観光サービスを提供するスタートアップ企業だ。

 旅をするうえで欠かせない通信インフラの課題を解決し、かつ旅のコンシェルジュの役割を担うWAmazingの可能性を、同社の加藤史子社長にうかがった。

WAmazing株式会社の加藤史子代表取締役社長/CEO

ローンチから3ヵ月で月ごと2000~3000人が利用

WAmazingで提供されるSIMは通信量500MBまでが無料。基本的には無料の範囲内におさまるものの、一定割合の利用者は追加データを有料購入しているという

 WAmazingは、モバイル通信SIMと、観光案内・予約ができるアプリがセットになった訪日外国人向け観光サービスだ。

 旅行者は自国であらかじめアプリをダウンロードし、個人情報やクレジットカード情報を登録し、QRコードを取得する。そして旅行当日、成田空港に到着したら、到着ロビーに設置されたSIMカード受取機にQRコードをかざして専用SIMが受け取れる。SIMは500MBまでの範囲で通信が無料。WAmazingのアプリ経由で追加データが購入できるほか、タクシーの配車や観光情報の提供も受けられる。

 2017年2月1日からサービスを開始したWAmazingは、4月末時点でアプリのインストール数が約2万5000件に達した。もちろん、アプリをインストールしても実際に訪日し、成田空港でSIMを受け取らなければならないため、受取者数は7500件ほどにとどまるが、これを1ヵ月に換算すると約2000~3000人もの訪日外国人に利用されている形となる。

インバウンドで強い特定ロケーションもその数が増えてきている

 一方で、ホテルと空港間の送迎タクシーの予約や、専属カメラマンが同行するロケーションフォト、食事やチケットなど、観光商材の提供についても同社は力を入れている。加藤氏いわく、観光商品は社内用語で“屋台”と呼びながら提供している。「現在は無料SIMという花火大会を開催している状態。花火大会会場に集まってきた方に、チョコバナナや焼き鳥を売るように簡易な店舗を出して観光商品を提供している」(加藤氏)

SIMカード提供が空港の価値を高める

 インバウンド市場規模の拡大に寄せて、訪日観光客向け通信インフラの充実は大きな課題である。インターネットがなければ地図が見られず、調べ物もできない、SNSを使うことさえできない。旅行中の通信環境については誰もが悩むところだ。

 日本政府はWi-Fi環境を拡充する意向を示しているが、Wi-Fiはアクセスポイントから有効範囲がある一定に固定されている。旅行はあちこち歩き回るもの。旅先で立ち止まることなくデータ通信をするなら、現在のところ便利なのはSIMとなる。WAmazingが通信インフラの提供とOTA(Online Travel Agent)の機能を組み合わせたのも、こうした便利な通信方法が、空港から離れてしまうと入手できないという危機感がインバウンドの旅行者にはあるからだ。

 また、空港のあり方が変化しつつあることもWAmazingには追い風となっている。空港各社が、単なる空の玄関口からサービス業への業態転換を図り、飛行機の離発着以外の事業(飲食、物販、サービスなど)に力をいれていくという動きは、WAmazingのビジョンとも重なる。これまでただの経由地であった空港自体を楽しむ、空港でものを買うといった空港のビジョンに、WAmazingとして手伝えることがあるのではないか、と考え、WAmazingのアプリには空港情報を充実させる方針だ。空港側もそうした可能性に期待しているという。

 もちろんこのような流れは、空港だけではない。WAmazingリリースの背景には、日本の産業における「大きなトレンドの分岐点」があるという。

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