さくらから見たmstdn.jp移行の舞台裏とMastodonの可能性
自宅サーバーからさくらのクラウドへ!mstdn.jpとの2週間をさくらの2人に聞く
2017年05月02日 07時00分更新
MastodonブームでVPSの在庫が枯渇したのは本当か?
大谷:あと、世間的にはさくらのVPSの在庫がなくなったのは、Mastodon特需じゃないかと言われていますが……。
横田:これはVPSの責任者でもある私から説明します。VPSはもともと3月頃から需要が増えていました。需要の増す3月という時期だったのに加え、スケールアップというプランを変更できる機能を追加して、予想よりもVPSの需要が伸びたということがありました。だから、Mastodonブームで、VPSが枯渇したというわけではないんです。
大谷:3月からVPSの需要が伸び、それがたまたまMastodonに重なったというのが、さくらさんとしての見解なんですね。
横田:実際、VPSは売り切れましたしね。もちろん、Mastodon効果で伸びたという事情もありますが、Mastodonだけで伸びたわけではないです。
こう言いながら、とある講演会で私も冗談で「Mastodon効果でVPSが売り切れちゃった」と口をすべらせたら、それがツイートされてしまい……。
大谷:どう考えても横田さんが悪いパターンですね(笑)。メディアの立場からすると、それはあかんです。
横田:はい(笑)。冗談ですって必死に火消しに回りました。
鷲北:なんだかクラウドも売り切れたとか書かれて(笑)。絶賛発売中ですよって言って回りましたよ。
大谷:まあ、いろいろな憶測をしてしまう現象なんでしょうね。
大谷:こうしてお話しをお聞きすると、この2週間はがっつりMastodonだったんですね。
横田:いやあー。事実上、Mastodon担当でしたね。
Twitterのオルタナとして、WordPressのように手軽に使えたら
大谷:最後にMastodonに期待することをお願いします。
横田:私はちょっと社会的な話ですが、Twitterのオルタナティブがきちんと出てきたというのは1つの意義ですかね。Twitterが利用できなくなるかもという不安と、クラウドやVPSが出てきたので手軽にサーバーが立てられるようになったという2つが大きいと思います。
大谷:確かに別の選択肢というのが大きいと思いますよね。Twitterなり、Facebookなり、自分の意図しない進化もありますからね。
横田:その点、Mastodonって、なんか自分の友達の友達くらいが集うSNSが作れそうじゃないですか(笑)。そんな期待もあるのかなと。
鷲北:世界的に見て、日本ですごく流行っているというのも面白いですよね。ちなみに国別のランキング見ると、2位はフランスだそうです。
横田:あとはMastodonに限らず、自分でサーバーを使って立てられるサービスいっぱいあるんだよというのが、もう少し認知されてくるといいなあと思います。
鷲北:エンジニアの目線だと、やはりWordPressくらい安くて、気軽に使えるコミュニケーションが実現できる、きちんとメンテナンスされていえるプログラムに成長するといいなと思います。Mastodonって、100ユーザーくらいの小さなインスタンスがたくさん立っていることを想定している気がします。そういったインスタンスが、ワンコインでボタンを押せばすぐに使える、そういうサービスができるのが理想だと思ってます。