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2018会計年度の国内事業戦略を説明、日本IBMやNEC、IIJ/アクティスとの協業も発表

レッドハット新年度戦略、コンテナやDevOpsなど新領域拡大に注力

2017年04月21日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハット日本法人は4月20日、新年度(2018会計年度、2017年3月~2018年2月期)の事業戦略説明会を開催した。レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏は、国内企業のデジタルトランスフォーメーションが本格的な取り組みへと移行する中で、それをオープンソースITで支援していくための具体的な施策を明らかにした。同日には、日本IBMやNEC、IIJ/アクティスなどとのクラウド分野での協業、OpenStackやコンテナ基盤製品での新規事例も発表している。

Red Hat OpenStack/OpenShiftをマネージドサービスとして提供する「Private Cloud as a Service」の新規パートナー各社(日本IBM、IIJ、アクティス、NEC)代表も出席した

「OpenStackは前年比3.5倍、OpenShiftは4倍」“非Linux”への転換は順調

レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏

 望月氏はまず、グローバルでの昨年度(2017会計年度)の業績を報告した。売上は対前年度比18%増の24億1200万ドルで、15年/60四半期連続での売上成長を達成した。中でも、アプリケーション開発・新興テクノロジー製品(ミドルウェア、コンテナ、DevOps、API管理製品など)分野は36%もの成長となっており、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のサブスクリプション売上を中心とするインフラ関連製品の成長率(15%)を大きく上回っている。

レッドハット(グローバル)の2017会計年度業績。15年/60四半期連続の売上成長を達成

 昨年度の事業戦略説明会において、望月氏は「RHELとその他のプロダクトの売上比率を、現在の『8:2』から、2020年には『5:5』へと持っていく」方針だと説明していた。業績報告を見るとその比率はおよそ「7:3」に変化しており、“Linuxのレッドハット”からの転換は順調に進んでいる。望月氏も「2020年の『5:5』に向けて、オントラックで(予定通りのペースで)進んでいる」と語る。

 日本法人単独での業績は公表していないが、「日本のビジネスも極めて順調。グローバルの成長とニアリーイコール(ほぼ同等)」だという。

 昨年度の国内ビジネスにおけるハイライトとして、望月氏は、「OpenShift Container Platform」を中核に据えた新たなコンテナ戦略の推進、サポート期間を5年に延長した「OpenStack Platform」採用事例の増加、「Red Hat on Azure Partner Network」の開始、クラウドパートナーの増強、DevOps導入支援ワークショップ(DevOpsディスカバリーセッション)の開催、といった実績を紹介した。

 「OpenStack Platformは対前年比で3.5倍、OpenShift Container Platformは4倍へと成長しており、非常に勢いがある。OpenShiftに関しては、パイオニアにおいて次世代カーナビシステムの基幹プラットフォームとして採用されたほか、富士通や日立とのパートナーシップも構築できた」(望月氏)

日本法人における昨年度のビジネスハイライト

OpenStack、コンテナ、DevOpsなどの技術者/コンサルタント育成も強化

 昨年12月の発表会で望月氏が述べていたとおり、顧客企業におけるデジタルトランスフォーメーションが「黎明期」から「成長期」へと推移していく中で、2018年度も引き続き、オープンソースITを活用してデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業をサポートしていく方針だ。

 望月氏は、企業がデジタルトランスフォーメーションを成功させるためのキーファクターは「新しいアイデアの早期実現」「次世代のIT環境」「継続的なサービス改善」の3つであり、レッドハットでは製品/ソリューション提供を通じて、その実現を全面的に支援していくと語る。

2018年度の重点ビジネス領域。デジタルトランスフォーメーション成功のキーファクター3つと、それを実現するためのIT要件

 具体的な注力製品/ソリューションとしては、アプリケーションの高度化を実現するミドルウェア群「JBoss Middleware」やAPI管理の「3scale API Management Platform」、クラウド&コンテナ活用を促すOpenShiftとOpenStack、DevOps&ITオートメーションを実現する「Ansible Tower」やDevOps導入ワークショップを挙げている。

上述のIT要件に対応する、2018年度の注力製品/ソリューション

 アプリケーション高度化においては、今年度、コンテナ化やマイクロサービス化による企業アプリケーションのモダナイズ、金融/通信/製造などの分野における顧客の「APIビジネス」支援、IoT導入支援とリアルタイム分析ソリューション拡販などを行う。望月氏によると、JBoss製品のコンテナ化が完了したほか、マイクロサービスに関しては「近々に、新しい機能あるいは製品が発表できる」見込みだという。また、ある国内大手通信事業者のIoTソリューションに3scaleが採用され、実証段階に入っていることを紹介した。

 クラウド&コンテナ環境の促進においては、Red Hat OpenStackの導入企業を現在の100社超から200社超規模へと拡大していくほか、OpenStackのトレーニング受講者を累計2000名、認定技術者を800名へ増強し、OpenStackの国内技術者を倍増させる方針。同様にコンテナ技術者についても、トレーニング受講者を累計500名、認定技術者200名の規模にしていくと述べた。なお、昨年12月に発表した、OpenStack/OpenShiftをマネージドサービス形態で利用可能にする「Private Cloud as a Service」では、20社超のパートナー規模に拡大していきたいとしている。

 DevOps&ITオートメーションの実現では、昨年DevOpsワークショップを開催した結果、多くの顧客が「コンテナを用いたかなり大規模なDevOps環境を実装中」であると述べ、今年は同ワークショップの実績を昨年の20社から100社超へ拡大するとともに、DevOpsコンサルタントの増員、環境構築のサポート強化を図る。加えて、ITオートメーションの分野でも同様のワークショップ(ITオートメーションディスカバリーセッション)を新設して、提案活動につなげていくとした。

2018年度の各注力製品/ソリューションにおける具体的な施策

日本IBM、アクティス/IIJ、NECがマネージドサービスのパートナーに

 説明会では、Private Cloud as a Serviceを提供開始する新規パートナー各社が紹介された。日本IBM、アクティス/IIJ、NECの各社が、ホステッド/マネージド型のプライベートクラウド環境上で、OpenStack Platformや「Red Hat Ceph Storage」、OpenShift Container Platformをマネージドサービスとして提供する。

“Private Cloud as a Service”新規パートナー各社と、提供サービスの一覧

 望月氏はPrivate Cloud as a Serviceのメリットについて、「プライベートクラウドの良さを生かしながら、初期投資を抑え、使用量ベースの課金で利用できること」だと説明した。

 また、ゲストとして登壇したNEC プラットフォームサービス事業部 クラウドプラットフォームサービス部 部長の木村好孝氏は、クラウドサービスに対する顧客ニーズが「ICTリソースの払い出し」から「デジタルビジネスの基盤提供」へと変化していると指摘。IoTデータ収集基盤やAIエンジン、モバイルバックエンドなどの機能群を備える「NEC Cloud PaaS」の基盤として、OpenShiftによるコンテナ環境を提供していくと説明した。

 加えて同日、レッドハットでは、IaaSベンダーのフューチャリズムワークスにおけるOpenStack+Ceph Storageの導入事例、フリービットにおける既存OpenStack環境の拡張と、社内エンジニア向けセルフサービスポータル構築のためのCloudForms導入事例を発表している。フューチャリズムワークスでは、OpenStack Platformの採用により、わずか2カ月でIaaSサービス基盤を構築したという。

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