日本マイクロソフトは4月11日、正式版の提供が始まった「Windows 10 Creators Update」のプレス向けセミナーを開催した。
Creators Updateは、2016年8月2日の「Windows 10 Anniversary Update」以来のメジャーバージョンアップとなる。GUIの改善に加え、3Dやゲーミング、そしてMR(Mixed Reality:複合現実)に関する機能を強化している。
MRは今後育てていく大きな流れ
「Creators」という単語が持ちいられているが、狭い意味での「クリエイター」に限定せず、パソコンを使ってクリエイティブな作業をし、何かを作り出す人全般をターゲットにしている。したがってビジネスの生産性を高めたり、法人用途でも有益な機能が追加されている。
これを踏まえ、日本マイクロソフトの業務執行役員でWindows&デバイス本部長の三上智子氏は「クリエイターのためだけのアップデートだとよく聞かれるが、すべての人々に向けて“創造力の可能性を広げる”アップデートだ」とコメントした。文章を作るなど「何かを作り出す作業」がより手軽になる点をアピールする。
一連の機能のうち、特に強調したのは「Windows Mixed Reality」(旧:Windows Holographic)だ。「Mixed Reality」(MR)とは、現実世界と仮想世界を融合させる複合現実のことで、すでにマイクロソフトはそのためのデバイスとして「HoloLens」をリリースしている。さらに年末に向けてPCメーカー各社から、より安価な対応ヘッドマウントディスプレイが続々と登場する見込みだ。
法人向け機能では、これまでセキュリティ機能の強化と管理性の2点のフィードバックを特に多くもらったという。
新機能のうち、まず「Windows Defender セキュリティセンター」は分散していた各種機能を一元管理できるものだ。生体認証機能の「Windows Hello for Business」は今回からAD環境でも利用可能となった。Windows Aniversary Updateで追加された「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」には攻撃を検知したあとそれを止める機能も追加した。
クラウドベースの管理機能である「Windows Upgrade Analytics」では、アプリケーションとの互換性(Upgrade Readiness)やパッチ類が当たっているかの確認(Update Compliance)をダッシュボード上で確認できるようにした。
加えてWindows 10 Mobile向け機能も強化されている。
提示された資料によると、セキュリティでは、データ保護機能(SDカードの暗号化やSMSメッセージのアーカイブ)、ネットワーク接続保護機能としてDomain トリガーVPに対応した。管理機能としては、Windows Configuration Designer、Azure ADへの一括登録、デバイス管理機能としてダイナミックマネージメントやMDMを使わないMAM、そして生産性向上の点では、Continuumにディスプレイの個別設定やイーサネット経由の設定、Assigned Accessにロックダウン設定の追加などが挙げられている。