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エレコムがDXアンテナを傘下に収めた真の理由は「放送と通信の融合」だった!

2017年03月31日 18時00分更新

文● ハシモト/ASCII編集部

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左から、船井電機代表取締役 執行役員社長の前田哲宏氏、エレコムの取締役社長である葉田順治氏、DXアンテナの代表取締役社長 米山 實氏

左から、船井電機代表取締役 執行役員社長の前田哲宏氏、エレコムの取締役社長である葉田順治氏、DXアンテナの代表取締役社長 米山 實氏

 エレコムは3月31日、DXアンテナの株式取得完了を受け、両社のシナジー効果などに関する記者説明会を開催した。

 DXアンテナは船井電機傘下の企業であったが、2016年11月にエレコムが株式を取得することについての船井電機と基本合意を締結。

 エレコムが株式の96%の株式を取得し、DXアンテナがエレコムの傘下に入る。

 このメリットについて、エレコム取締役社長である葉田順治氏が説明した。

エレコムの販売チャネルを利用して
受信機器トップシェアを狙う

エレコムのM&Aと成長の過程

エレコムのM&Aと成長の過程

 エレコムは2004年のロジテック買収からM&Aによる成長を続け、ハギワラソリューションズや日本データシステム、ワークビット(事業)といった企業を傘下に収めてきた。

 この結果、PC関連製品やスマホ関連製品で国内トップシェアを誇っているとのこと。

 そして、AV機器にも力を注ぐ同社は、Bluetooth機器では数量シェアトップであるものの、それ以外ではトップシェアを取るまでには至っていない。

 外付けHDDなどテレビ関連製品もリリースしているが、アンテナ製品は扱っておらず、扱おうにも法令などの関係で製品開発が難しいジャンルとなっている。

 今回、DXアンテナを取得することで、エレコムの販売チャネルなどを活用してアンテナ受信機器を販売。シェアナンバーワンを目指す。

 また、両社は重複している事業がほとんどなく、エレコムは通信分野や家電量販店への営業力で、DXアンテナは放送受信分野、CATVなどの放送キャリア、電材や電設といったBtoB市場への営業力、電気通信分野の工事(資格がある)で強みがある。

 ただし、それは前段で、両社にはもう少し大きな目論見がある。それは「放送と通信の融合」だ。

同軸ケーブルを利用したインターネット接続

エレコムとDXアンテナがもたらす家庭内IoTのイメージ

エレコムとDXアンテナがもたらす家庭内IoTのイメージ

 DXアンテナのコア技術は、同軸ケーブルを利用した伝送技術である。この技術を応用し、家庭内の同軸ケーブルを利用して通信データーも流せるような家庭用機器を共同開発していく。

DXアンテナが奈良県で提供している防災と福祉のサービス

DXアンテナが奈良県で提供している防災と福祉のサービス

 DXアンテナ側はすでに防災用途(サスペンド中のテレビにデーターを送って起動させ、情報を表示する)などのサービス化を進めており、これらを発展させてホームIoTの分野でトップシェアを切り開きたい考えだ。

同軸ケーブルでインターネット環境を提供

同軸ケーブルでインターネット環境を提供

 このほか、ホテルや病院など無線LANなどの通信機器の工事がしにくいところで、既存の同軸アンテナケーブルを利用したインターネット環境を構築したり、見守りサービスなどさまざまな事業を検討していくとのこと。

保守の面でもシナジー効果を見込める

保守の面でもシナジー効果を見込める

エレコムグループで幅広い分野をカバーできる

エレコムグループで幅広い分野をカバーできる

DXアンテナがグループ入りしたことを踏まえた、2016年通期連結売上予想

DXアンテナがグループ入りしたことを踏まえた、2016年通期連結売上予想

 さらに、工事や保守の面でも両社のシナジー効果が見込めるとし、葉田氏は個人的な見解としながら「来期は1000億の大台を超えたい」と意気込んだ。

 DXアンテナ 代表取締役社長の米山 實氏も、社内の雰囲気について「久々に興奮」していると述べ、両社の相乗効果に期待をにじませた。

 DXアンテナは、放送と通信の融合についてここ10年ぐらいテーマとして持っていたとのことで、通信機器に強いエレコムの傘下に入ることで、その実現性が大きく高まりそうだ。

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