コーエーテクモウェーブは2月6日、VR体験が可能なアーケード向け筐体『VR SENSE(センス)』を発表した。『VR SENSE』は半密閉式コックピット風になっており、予定サイズは1016×2075×1788mm、重量は300~400kg。多機能3Dシート、香り機能、タッチ機能、風機能、温冷機能、ミスト機能などを備え、フィードバックが充実した仕様が特徴となっている。
発表会では、コーエーテクモホールディングス 代表取締役社長の襟川陽一氏による『VR SENSE』のアンベールが行なわれた。今年はテクモの創立50周年を迎えることもあり、メモリアル的な意味も含まれているそうだ。
『VR SENSE』の企画は、代表取締役会長の襟川恵子氏からスタートし、社内の人員を集めて開発を進めたとのこと。襟川恵子氏も以前は筐体開発に関わっていたこともあり、スピーディーに開発を進められたようだった。発表会でのプレゼンも自ら行っており、相当な力の入れようであるのはよくわかるだろう。
ベースとなるシステムは『PlayStation VR』を使用しており、採用理由は"システムとして完成されているため”だという。もちろん、トラブルの際の交換しやすさも込みと思われる。ソフトウェアもPS4ベースで、発表会では『ホラー SENSE〜だるまさんがころんだ〜(仮)』『GⅠ JOCKEY SENSE(仮)』『VRアクション真・三國無双(仮)』の情報が開示された。筐体は特定のタイトル専用ではなく、プレイヤー側が任意にタイトルを選べる仕様というわけだ。家庭用としてもリリースされそうな気配だが、それについては未定とのこと。
試作機の調子が悪いながらも、体験はできたのでインプレッションをお伝えしていこう。プレイしたタイトルは『GI JOCKEY SENSE(仮)』。ゲームとしては、6ハロンをディープインパクトに騎乗して駆けるといったもの。残り3.2ハロンあたりからの鞭入れでクビ差勝利余裕だったりしたが、楽しいものだった。
1組目のときは3D多機能シートは動作していたが、筆者の順番になると動作していなかった。3D多機能シートはただ振動するだけでなく、傾きや衝撃といった動作にも対応しており、4DXシアターのシート的なイメージ。そういった仕様を採用する筐体としてはコンパクトなもので、堅牢性の部分ではまだ苦戦が続いていると見ていいだろう。
また動作していなかったものは、香り機能とタッチ機能、温冷機能、ミスト機能。これはタイトルに応じて実行タイミングを決められるため、『GI JOCKEY SENSE(仮)』では動作しない仕様だったと思われる。香りは、特定の匂いだけなのか、ブレンドするのかといった部分は未公開。送風機能の風量は手で感じた限りでは軽いものだったが、プレイのときはそれくらいの刺激で十分に脳が誤認をするため、疾走感らしきものを感じられた。3D多機能シートが上記のように動作が不安定だったので、セルフ3D多機能シート状態で体を上下させてみたところ、没入具合は上々。フルに機能を実行するタイトルだと、どうなるのかと期待が高まった。
アミューズメント向けのリリースは2017年夏を予定しており、試作機が『ジャパンアミューズメントエキスポ 2017』に3台展示されるそうなので、興味のある人は体験に行ってみよう。先着順となっているので、気になる人は真っ先にコーエーテクモウェーブブースに直行だ。
個人的には『ウォーシップガンナー SENSE』の登場を期待したい。
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